過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[saga]
2014/12/08(月) 02:16:13.55 ID:SKOUGcato
そのとき、ピクリとさやかは顔を上げた。仁美は不安げに彼女を見ていた。
それはさやかにしか聞こえない声――テレパシーだった。
ほむら『あなた、本当に強くなったわね』
どこからともなく――、としか言いようが無い、ほむらの声だった。
ほむら『私の力を使わなきゃいけなくなるとは思わなかったわ。ちゃんと訓練すれば、あなたも強いのね』
ほむら『でもだからこそ、あなたにリタイアされては困るのよ。私の事をどう思おうが、好きにして。私は絶対やるわ』
ほむら『今だけで良い――――、そう、ワルプルギスの夜さえ、越えれば――――、ごまかしでも、何でもいいのよ』
ほむら『お願いだから、今だけで良いから、あなたはちょっと眠ってて。まどかのため、そして私のために』
さやか「っ、仁美は関係ないじゃないっ!!! 邪魔だって言うんなら、あたしを殺――――」
仁美を守るように抱きながら、さやかは必死で叫んだ。
しかしその言葉は最後まで続かなかった。時間が止まり、すべてが止まった。
ほむらは路地の奥から姿を現した。その手には拳銃。少し離れた位置で、仁美に狙いを定める。
私が志筑仁美を殺したら、さやかは絶望して魔女になるだろうか?
ほむらは最後に一度だけ考えた。しかし、首を横に振る。
そうは、ならないだろう。だってこれはどう考えても私のせいだもの。さやかが自分を責めることはあり得ない。
さやかは絶望するよりもむしろ、私を心底憎んで、呪って、殺そうとするだろう。そしてそれで良いのだ。
その強い気持ちが、彼女をより強くして、ワルプルギスの夜を越える助けになれば――。
私はさやかに死ぬほど憎まれたって、構わない。
覚悟を決めて、ほむらは改めて狙いを定めた。志筑仁美を殺す。弾丸が彼女の頭を砕くのよ。
ほむらは引き金を引いた。狙いは正確だった。真っすぐに突き進み、甲高い音が響いて、たたき落とされる。
反応は出来なかった。両手が勝手に跳ね上がり、がら空きのボディに強烈な衝撃を受けた。
気付いた時には、ほむらの手元に銃は無く、地面に倒れて、荒い息を吐いてお腹を押さえていた。
そして、振り切った形で静止していた足が、ゆっくりと下ろされた。
ほむらはその姿を見て、まぶしそうに目を閉じた。
全身から力が抜け、深くため息を漏らす。
例によって、あの小柄な姿だった。
ほむらに背を向ける。桃色のリボンと純白のフリルをあしらった、破壊の塊。
肩越しに向けられた視線は、氷の鋭さでほむらを突き刺していた。冷え切った声が、薄くこぼれる。
魔まどか「――何をしてるの? ほむらちゃん」
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