過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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598: ◆D4iYS1MqzQ[sagesaga]
2014/12/26(金) 02:14:32.32 ID:ox/3K3dso



我に帰ったさやかは、まどかに制圧されたほむらを見て、仁美を抱えて跳び上がった。
路地の両側にそびえる壁を蹴って、上方に逃れる。まどかはそちらには目をやらず、無言でほむらを見つめていた。
ほむらは地面にへたり込んだまま、呆然としていた。顔は伏せられ、まどかを見ることができない。

「せっかく、謝りに来たのに」まどかがポツリと言った。
ほむらは顔を上げた。しかしその目に入るのはまどかの暗い表情だけだった。その口が開いて。

魔まどか「なんで、こんなバカなこと……、もうダメだね。終わりにしなくちゃ、いけないみたい」
魔まどか「もうお別れだね。もう二度と、あなたの前には現れないから」

声は静かで落ち着いていたが、生気が感じられなかった。夕日が徐々に沈み、狭い路地から光が消えていく。
逆光でまどかの表情は見えない。ほむらはたまらず叫んだ。

ほむら「待って……っ!」

まどかは黙って立ち、彼女を見下ろしていた。
ほむらはこれが最後の猶予だと理解した。胸に手を当てて、ほむらは口を開く。

ほむら「なんでそんなこと言うのよ! お別れ? バカなことよ! あなたにはこの世界しか無いんでしょう!」
ほむら「私もそのつもりでやって来たわ! それで私たち、これまで上手くやってきたじゃない!」
ほむら「あとはワルプルギスの夜だけなのに……、どうしてここでお別れになるの!」

言いながら、ほむらは立ち上がっていた。よろよろと、まどかに詰め寄る。まどかは無言で魔法の弓を取り出し、
矢をつがえてほむらに向けた。「それ以上わたしに近寄らないで。ここから出て、まっすぐ家に帰って」
ほむらはため息を吐き、首を何度も横に振った。

ほむら「志筑仁美を殺さなきゃ、さやかを救えないのよ」
ほむら「あなたに言われて気付いたわ、私は全部、自分のためにやってるだけだって……」
ほむら「だから、もうためらわないことにしたのよ。あなたが言ったから……っ!」

魔まどか「わたしが言いたいのは、あなたの顔はもう見たくないってことだけだよ。何度も言わせないで、早く行って」

ほむらはうな垂れた。肩を落とし、ゆっくりと背を向け、フラフラと立ち去って行った。
彼女が路地を抜けて角を曲がり、その姿が見えなくなると、まどかはようやく弓を下ろした。


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