過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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601: ◆D4iYS1MqzQ[sagesaga]
2014/12/26(金) 02:23:12.77 ID:ox/3K3dso

暗闇の中で、ソウルジェムを取りだす。
一瞬だけ、紫のまばゆい光が廊下の闇を晴らしたものの、すぐに再び溶けていく。
むなしい明かり。私の希望の末路に思えて、そんなのはくだらない感傷と切り捨てる。

ワルプルギスの夜が来るまで、あと少し。だけど、私はもうどうでも良くなっていた。
この世界で何が出来ると言うのだろう。まどかと決裂して、さやかとの友情も裏切り、私は殺人未遂犯だ。
すぐにでも次の世界に渡りたかったけれど、まだ砂時計の砂は落ちきっていない。
一カ月が経過したとき、ワルプルギスの夜が来たときになって初めて、時間を巻き戻せるようになる。
私は早くワルプルギスの夜が来てほしいと、心から思った。

志筑仁美を殺そうとしたのが間違いだったとは思わない。間違いがあったすれば、それはちゃんと止めを刺せなかったことだ。
真にまどかのためというのは、たとえまどかに絶交されても、志筑仁美を殺害して、さやかを魔女にさせない事ではないのか。

私は口元に笑みを浮かべていた。頭の中は冷静そのものなのに、根本的に破綻している気もする。
どこでズレてしまったんだろう。何も間違った事はしていないのに、どうして少しずつズレて行くのかしら。

まどかには幸せに消滅してもらいたい。これは「まどかのため」じゃない。私のエゴだ。
でも、まどかはそれを拒絶した。もう、仕方ない。私もまどかの嫌がることはしたくないから。
さやかには魔女になって欲しくない。だから志筑仁美を襲った。けど、さやかはそれを拒絶した。みんなそんなものだ。
私の邪魔ばかりする。人の為が自分の為なら、最初から自分の為に行動すればいいのよ。

だから私は「まどかのために」戦えない。おそらくは、もう二度と。

まどかに何を言われても次の世界じゃ関係ないわ!
けれどそれはウソ、だってまどかに言われた言葉は、消えないもの。
他でもないあなたに否定されてしまったのだから、私は永遠にそれを、背負うのだろう。
大したことじゃないわ。「まどかを守る私になりたい」と願った瞬間から既に、私はとっくに利己的だった。
私に守られるために生まれる無数のまどかたち。その中から、今回もまた一人、いや二人、消えて行くのね。


――会いたいよ、まどか。
でもあなたが拒むのなら、もう仕方がないとしか、言いようがない。
また次の世界であなたに会えるのを、待つしかない。今度こそと願うしかないんだ。

大丈夫、元に戻るだけだもの。
また次の世界でまどかと最初からやり直そう、みんなとも最初からやり直そう。
私はもう何度も繰り返してきたんだから、今更なにか思うこともないわ。

本当に

本当にこの世界はとても上手く行っていた。途中まで。とても惜しかった……。
それでいいじゃない、十分頑張ったし、次はきっとうまく行くわよね。


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