過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/12/26(金) 02:25:30.87 ID:ox/3K3dso
バカみたいに長い時間、バカみたいに突っ立ってる私。
バカみたいに逃げ出し、バカみたいに甘える私。
バカみたいに逆上し、バカみたいにバカみたいに。
―――ガコンッ!!!
正面、廊下の扉がへこみ、蝶つがいを振り切って奥へ吹っ飛ぶ。
リビングのソファに突き刺さり、さらに飛び跳ねて、窓ガラスにヒビを入れる。
ほむら「う……―――ううううううううう!!!!」
それを追うようにリビングへと駆けこむ。
足が、床板を変形させて、何度も叩きつけられる。
滑稽な姿だと自覚してたって止まらない。叩きつけなきゃ内から壊れてしまうの。
床板を踏み抜いて転倒する。なお拳を打ちつけて、喚き散らして、バカじゃないの。
ほむら「私は、わたしはっ、――――なんてことなの!!!」
ほむら「そんなのイヤ! 別れたくなんてない! まどか! まどかぁ!」
そんな私を止めるものがあるとは、思ってもみなかった。
だけど、それがある以上、止まらざるを得ないというもの。
沸騰した頭に冷静さが戻ると同時に、嗅覚が悲鳴を上げることになった。
それは部屋全体に満ちた、異臭――だった。
ほむら「まどかあぁ……っ!? うっ、な、なにこれ……!?」
ほむら「うっ……な、なんで、なんなの………………」
さっきまでいた、路地裏の臭いに近かった。つまりは、ゴミと下水の臭いだ。
私は叫びを止めて、ふと冷静になった。
さっきまでこの時間軸そのものを放棄しようとしていた卑怯者が、
自宅の異臭を気にかけるなんて、と我ながら冷笑的になる。
鼻を貫くこの臭いの異常さが、逆に平静な思考を戻してくれたのかもしれない。
臭いは部屋に充満していて、どこが発生源かは分からなかったけれど、
生ゴミなら台所だろうか。足を床から抜いて、向かった。
ほむら「――本当にひどい臭い、どうして」
狭く細長い台所の奥に鎮座するのは、小さなゴミ箱。
それが溢れかえっていた。フタが閉まらないほどの量のゴミで。
ほとんどが食べ物だった。腐敗が始まっている上にぐちゃぐちゃに潰されていて、
さらにはごちゃ混ぜで、分かりにくいけれど、どうも調理済みの食材のように見えた。
その中にひとつだけ食材ではないもの――本が混ざっていた。
表紙が上を向いていた。それは私が買った覚えのない、料理の雑誌だった。
そういえば。
まどかは、私のために、二日連続でお夕飯を作ってくれていた。
マミが重傷を負った三日前、まどかと決裂した二日前、私は一度もリビングに足を踏み入れなかった。
私は、彼女の夕飯を食べてはいない。じゃあ、それは、いったいどこに――。
ほむら「――――――っ」
こつん、と膝が床をついた。異臭だったものが途端に、とてもいい匂いに感じられた。
手を伸ばし、ためらわず両手に握りこんだ。ぬちゃっと音がして、指の間から出てきた。
ちなみに
その雑誌には、複数のページに折り目が付いていた。
開いてみると、手書きの文字が、蛍光ペンの下線が、たくさんたくさん。
私は家を、飛び出した。
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