過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2015/02/09(月) 23:07:54.04 ID:F4ka5Cmio
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雲の隙間から光が差し込む。青空が顔をのぞかせ、黒雲を散らして行く。
雲が晴れ、間もなく見滝原から夜は去った。時刻は正午。天気は快晴。心地よい風が頬を撫でる。
「まどか―――――っ!!!」
呼ぶ声がこだまする。避難所から飛び出て、荒れ果てた通りを走る。通りの中央でまどかは倒れていた。
ワルプルギスの姿はどこにも無かった。まどかはすっきりした表情で、青空を見上げていた。「やった……」
その口元に笑みが浮かぶ。みんなの顔が一斉に集まる。「まどか!」「鹿目さん!」「大丈夫!?」
まどかはニッコリと笑った。「みんな、わたしやったよ」
しかし彼女は起きあがることが出来なかった。
「ええ、あなたは本当によくやってくれたわ」ほむらは彼女のそばにひざまずき、その身体を起こした。
マミ「この街のみんな、あなたに救われたわ……、本当にありがとう」
杏子「本当だぜ!」
さやか「本当に……っ!!」
さやかが声を詰まらせ、みんなが黙りこんだ。まどかの姿が薄れ始めていた。
まどかは自らの手を太陽にかざし、うっすらと微笑んだ。日の光は彼女の手を素通りしていた。
魔まどか「みんな、本当にありがとう。みんなのおかげで、わたし、この世界に来て良かったと思えた」
魔まどか「絶望なんかしてない。契約して良かった、この世界で……、みんなを救うこと出来て、本当に良かった」
魔まどか「だから、ありがとう」
だれも、何も言えなかった。まどかだけがニッコリと笑っていた。
晴れた空から降る光が、彼女を照らしていた。ほむらの手はまどかの身体をすり抜けた。
「みんな――――――っ!!!」
まどかの声が、遠くから響いた。この世界のまどかが、こちらに駆けてくるところだった。
彼女はすぐに来て、息を弾ませながら、今にも消えそうなまどかの隣に座りこんだ。
消えるまどかは、突然目をうるませた。笑顔が崩れそうになる。しかしまどかは言った。
まどか「もう大丈夫だよっ」
消えるまどかは、目をパチクリさせた。力強く笑うまどかは、彼女に言った。「泣く必要なんて無いよ」
消えるまどかは、流れる涙を手でぬぐった。そして笑った。
まどか「わたしたち、これからはずっと一緒だから。あなただけいなくなるなんてことは無いから」
まどか「だってわたしたちは、おんなじ鹿目まどかだもん。――そうでしょ?」
魔まどか「あなたは……」
再び涙が溢れ、まどかはうつむいた。その姿はもう本当に消えそうだった。
「まどか!」ほむらが手を伸ばした。まどかはその手を取ろうとした。その手がすりぬけて。
まどかは消えた。
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