過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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682: ◆D4iYS1MqzQ[sagesaga]
2015/02/09(月) 23:10:01.84 ID:F4ka5Cmio



沈黙が世界を埋めていた。

ほむらは手を伸ばしたまま呆然と固まり、その肩にそっとマミが手を置いた。さやかと杏子は静かに目を見交わしていた。
ほむらは手を握りしめ、ゆっくりと下ろした。マミが小さく鼻をすすった。さわやかな春風が吹きぬけて行った。
まどかはうつむいて、肩を震わせていた。その震えが止まらず、どんどん激しくなっていく。どんどん激しく――。
マミが気付き、何か声を掛けようとした。その瞬間。


まどか「――あっははははは!!」


まどかの高笑いが沈黙をぶち破った。

ほむらでさえビクッと震えた。まどかは座りこんだまま、空を見上げて大笑いしていた。
大きく開いた口を隠そうともせず、お腹を抱えて、涙までこぼして。
全員が呆然としてまどかを見つめていた。その真ん中で、ようやく口を開くまどか。
まだ笑いながら、「みんな、おっかしいなあ……っ!」と涙を拭いて。彼女は衝撃的なことを言った。

まどか「みんな、わたしが消えちゃったみたいにしてるんだもん。違うって言ってるのに」
まどか「わたしは消えないんだってば。もう、みんな、いつまで勘違いしてるのかなあ?」

ニッコリと笑うまどか。ほむらたちは顔を見合わせた。
「何言ってんのよ、あんた」さやかが口を開いた。「いま、あの子はあたしらの目の前で――」

まどか「――消えたよね。でも、これを見て」

まどかは制服のポケットから何かを取りだした。桃色の輝きを放つ宝石。
それはまどかのソウルジェムに他ならなかった。彼女はニッコリと笑い、一同は混乱した。

さやか「え、なに、どういうこと? なんであんたがそれを持ってるの?」

マミ「まさか、鹿目さん、あなた契約しちゃったんじゃ――」

杏子「おいっ、何してんだよ!? せっかくアイツが犠牲になったのに、それじゃ――」

まどか「よーく見てよね」

ますます笑みを深めながら、まどかはソウルジェムを持つ左手を高く上げた。
「あっ……」と声を漏らしたのはほむらだった。

ほむら「指輪の形のソウルジェム……、おかしいわ。それじゃ二つってことに」

まどか「正解。わたし、ソウルジェムを二つ持ってるんだよ。これ、どういう意味か分かる?」

ほむら「もういいわ、まどか。ちゃんと説明してちょうだい。私、どうにかなりそう」

頭を押さえて、耐えかねたようにほむらは言った。
「ごめんごめん、分かったよ」まどかは笑いながら言った。

まどか「わたし――、えっと、魔法少女じゃなかったほうのわたしだけど」
まどか「わたしはさっき、避難所でキュゥべえと契約したの。"ある願いごと"をしてね……」

さやか「もったいぶるんじゃない!」

まどか「もう、みんな恐いよー……。だから、こう言ったの」
まどか「"もう一人のわたしの魂をソウルジェムから離して、わたしたちを一人のまどかにして"って」
まどか「だからソウルジェムは二つあるけど、わたしたちは二人で一人のまどかになったの」
まどか「言ってる意味、わかる?」


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