過去ログ - 奈緒「それでもやっぱり特別な日」
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6:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/16(月) 20:48:31.12 ID:jhlAvSnDo
「でも、Pさんだって仕事……」
「気にすんなって。それに奈緒、今日誕生日だろ」
「……うん。でも、Pさんに祝われるだなんて、思ってなかったから」
「まるでお前のプロデューサーは薄情な奴みたいだな」
「そ、そんなことない! ……けど」
「けど?」
「……なんでもない」
「そっか」
何だその全部わかってるよみたいな笑顔。
あーもう……ペース握られっぱなしだ。
せめてもの意趣返しに、アタシはそっと右手を差し出す。
「ん?」
「Pさんなんて、女子高生と一緒に手繋いで歩いて通りがかる人達に怪しまれればいいんだ」
「ほう。奈緒はどんな怪しまれ方を想像したんだ?」
「そ、それは……い、言えるかっ!」
「言えないようなことなのか」
「ばっ、そ、そんなんじゃなくて……!」
我ながらどうしようもない自爆だった。
何とか取り繕おうと次の言葉を探してると、Pさんがくすくす笑い出す。
「な、なんで笑うんだよ!?」
「いや、遠回し過ぎる催促だなって思ってさ」
「………………わかってんじゃん」
このひねくれ野郎、と視線で訴えれば、今度は悪戯を成功させたこどもみたいな笑顔を見せてくる。
「ところで奈緒」
「これ以上なんかあるのか」
「衆人環視の場でこういうことが言えるとは、成長したもんだな」
最早怒り(と恥ずかしさ)は言葉にならなかった。
それでも、まあ、手はちゃんと繋いだけど。
……もったいないって思っちゃったんだよ。悪いか。
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