過去ログ - 【モバマス】「橘ありすの電脳世界大戦」
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15:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:44:02.35 ID:xpTdZLia0
 その日の放課後、私は何日かぶりにウサギ小屋に足を向けます。

 曲がり角を曲がろうとした時、話し声が聞こえてきて、反射的に足を止めます。

 こっそりと覗き込めば、ウサギ小屋の前には、先生を従えた何人かの生徒がいます。

 彼らは、先生から受け取った鍵を使い、小屋の中へと入っていきます。

「ほら、ご飯だよ」

 置かれたお皿の上には牧草や野菜が載っていて、三匹は勢いよく食べ始めます。

「可愛いね」

 女性徒たちが微笑みながら、間近でウサギたちの食事を観察しています。

 食事が終わると、彼らは順番にウサギを抱っこしています。

 私は、金網越しにしか、あの子たちと触れ合ったことがないのに……。

 あの子たちは、あの生徒たちに、よく懐いているように見えます。

 もしかすると、これまでに何度も、食事を与えてきたのかもしれません。

 その光景を見ていると、心に、ちりっとした痛みが走りました。

 分かっています、あの子たちは、私が飼っているわけでもなんでもないです。

 望めば、飼育係になれたかもしれませんが、私はそうはしませんでした。

 だから、こんな気持ちになるのは、非論理的で、何かの間違いなんです。

 なのに、何でこんなに、心が痛いの。

 私は振り返らずに駆け出して、学校を後にします。


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