過去ログ - 【モバマス】「橘ありすの電脳世界大戦」
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4:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:36:29.44 ID:xpTdZLia0
「今日は、寒いですね」

 手袋を外し、金網の間から指を差し入れると、ウサギの一匹に甘噛みされました。

 美味しくなんてないだろうに、一生懸命、もぐもぐとやっています。

「あなたたちは、檻の中にいて、嫌にならないんですか」

 ウサギたちと見つめ合いますが、答えを期待するほど、メルヘンな頭はしてません。

「もうすぐ、私は小学校を卒業します」

 口に出してみても、これといった感慨はありません。

「あなたたちとも、お別れですね」

 ウサギは、三匹揃って、憎らしいぐらいに無表情です。

「まあ、だからなんだ、という話ですけど……」

 私が指を引くと、ウサギに名残惜しそうな瞳で見上げられました。

「また、来ます」

 腰を上げると、視界の端に、雪が分厚く積もっているところを見つけました。

 どうやら、小屋の、斜めになった屋根からうまい具合に雪が滑り落ちたみたいです。

 私は、じっと、目の前の雪の絨毯を見下ろします。

 辺りに誰もいないか、何度も振り返って確認をします。

 白い、息を、吐き出して。

 ぼふん。

 私は、前のめりに倒れ、全身を雪にめり込ませていました。

 立ち上がると、雪には、人の形をした型が、くっきりと刻まれています。

「えへへ……」

 笑みが自然とこぼれます。

 だけど、ウサギが私を見ていることに気づいた途端、頬が熱を帯びました。

 私は、髪や服についた雪を払い落とし、歩き始めます。

「……非論理的です」


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