8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/09/22(日) 17:45:15.77 ID:2LQWz22w0
次の朝になると、父さんは眠ったせいか、活気を取り戻していた。
昨日病院を抜けだして、今日、早速仕事とは忙しすぎるだろう。
あるいは、意図的に仕事を入れているか、だとか。そうだろう。
「倒れても見舞いには行けないよ」とだけ軽く釘を刺していた。
「ま、とにかくさ、父さんは行ってくる。学校でも会うかもな」
「そうかも。ま、会うことはないんだろうけどさ。頑張ってよ」
「ああ」と父さんは元気よく手を振り、駅の方へ歩いて行った。
すると後ろから「おはよう」と声が聞こえるので、振り向いた。
やはりというか、予想通りというか、とにかくは彼女であった。
「おはよう。お父さん、退院されたそうじゃない。死ぬ気なの」
「じゃないかな。じゃなきゃさ、あんなに仕事したがらないよ」
「……まだ、忘れられないのかしら。わたしも辞めるべきかな」
暗に母さんのことを指しているのだと、僕は、すぐに理解した。
「彼女は母さんにそっくりだな」と父さんも笑って言っていた。
彼女を見るとどこか面影が重なるから、と言いたいのだろうな。
「君は君で、母さんは母さんだ。やりたいことはやるべきだよ」
「ありがとう。でも、お父さんが気にしてるようなら、言って」
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