212:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 13:55:25.37 ID:9EEvdlb20
〜第七話〜
目を閉じたときに見えるのはまぶたの裏だと思っていた。
それがどうだろう。
今見えているのは着物の上に赤いジャンパーを羽織った青年であった。
213:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 13:56:36.25 ID:9EEvdlb20
「あのさ、学生服とは違ってオレ達は決められた運命だって殺せるんだよ」
「それに、お前が死んだらあの子はどうなんのさ?」
上条は苦笑いを浮かべる。
214:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 13:57:57.76 ID:9EEvdlb20
目を開くと同時に、幻想殺しをoffにする。
そして、魔術回路に魔力を流し込んでインデックスを抱えていない左手に三本のナイフを創り出す。
隠し持っていたナイフは最初の一撃のときにほとんどを落としたし、何より取り出している時間が惜しい。
眼を全開にすると、蒼紅い輝きが増す。
215:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 13:59:12.26 ID:9EEvdlb20
投影、投擲。
投影、投擲。
投影、投擲。
ただそれの繰り返し。
時間が経つたびに幻想殺しoffの副作用により脳に負荷が増えていくが、気にせずに繰り返す。
216:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 13:59:38.48 ID:9EEvdlb20
月光を頭から浴びながら上条は目を瞑った。
そしてそのままインデックスの横に倒れ込む。
慌ててステイルと神裂が駆け寄る。
上条とインデックスは、左手と右手を重ねながら穏やかな顔で眠っていた。
217:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:00:55.33 ID:9EEvdlb20
〜エピローグ〜
「またかい? 君も懲りないねぇ」
大学病院のある一室で小太りの医者はそう言った。
218:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:01:35.78 ID:9EEvdlb20
「いやぁ、すみません。でも、2週間で治りますよね?」
そう尋ねると、
「いや、無理だね」
219:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:02:50.36 ID:9EEvdlb20
幻想殺しをoffにすることで上条は魔術を使えるが、これには長時間offにするとデメリットがでてくる。
それが、『眼』の暴走である。
制御下におけなくなり、常に『死が視える』ようになるのだ。
さらに魔術を使い続ければ尚更に。
そのときは、 ”魔眼殺し” の眼鏡をもっていない上条は包帯を巻くしか無い。
220:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:05:25.56 ID:9EEvdlb20
そう言えば、能力開発を受けた能力者は魔術を使えないとインデックスが言っていたような気がする。
使った場合は身体に損傷を負うとも。
だが、
「こんなこと今まで無かったけどな……」
221:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:06:17.38 ID:9EEvdlb20
医者はふと何かを思い出したような様子を見せた。
「そういえば、白いシスターさんが来たよ? 名前は、インデックスだったかな」
「本当ですか?」
222:土蜘蛛[sage saga ]
2013/10/14(月) 14:06:59.48 ID:9EEvdlb20
「知り合いで良かった。知り合いじゃなかったら立派なテロだね、うん」
「ははは、すみません」
「ま、とりあえず退院だろ?」
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