24:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2013/09/25(水) 14:32:20.91 ID:yFOnK56a0
純「は、はい…… ええと、自伝を出す理由を教えてくれなかったんです。私が理由を聞いたら、
急に泣き出して…… あとは、何を言っても泣いてばかりで…… 何かに怯えるように……
ただ、『ごめんなさい』『許して』っていう言葉だけは聞き取れました」
25:1[sage saga]
2013/09/25(水) 14:33:36.03 ID:yFOnK56a0
>>24はミスです
重複してしまいました
26:律「うぉっちめん!」 [sage saga]
2013/09/25(水) 14:36:53.02 ID:yFOnK56a0
ここにいるのは、唯の両親、憂、近しい親戚達、和、澪、紬、梓。
全員が焼香をし、小机が取り払われ、炉の扉が開けられる。
台車に乗せられた棺が、炉の内部へと運ばれつつある。
憂は虚ろな眼でその光景を眺めていた。脳裏に去来する、唯との最後の対話と共に。
27:律「うぉっちめん!」 [sage saga]
2013/09/25(水) 14:39:28.78 ID:yFOnK56a0
火葬炉前は騒然としていた。
職員が台車を押して棺を炉内に運ぼうとしていた際、突如として憂が職員を突き飛ばし、
28:律「うぉっちめん!」 [saga]
2013/09/25(水) 14:42:47.04 ID:yFOnK56a0
第三章《人生は短い》
ビジネスマン達が気忙しく歩く、月曜の朝。
律はポケットに両手を突っ込んだまま、公園のベンチに浅く腰掛けていた。
サングラスの奥の眼は開かれていたが、二秒前から意識は閉ざされている。
29:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:46:00.33 ID:yFOnK56a0
オレンジジュースのSサイズコップに差し込まれたストローの先端から眼を上げると、席の
脇に律が立っていた。
律は音も無く、憂の向かい側の席へ滑り込む。
30:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:48:53.05 ID:yFOnK56a0
冷たさにも、喪失感にも、悲しみにも、罪悪感にも、驚きにも、後悔にも、怖さにも、
何にも耐えられなくなった。
両方の掌の下で「唯……」ってうめいて、眼を閉じたのは田井中律だったけど……
31:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:51:38.85 ID:yFOnK56a0
憂「そんな…… わ、わかりません。一緒に住んでいる訳じゃないですから。昔と違って、
あまり話をしてくれなくなりましたし。けれど、私から見る分には、そういう感じは
ありませんでした」
32:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:53:49.83 ID:yFOnK56a0
律と憂の会談と、ほぼ同時刻。
コトブキ・エンターテインメント本社ビルの社長室では、真鍋和が革張りのソファに腰掛け、
33:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:56:15.82 ID:yFOnK56a0
男と紬が交差しようとする刹那の寸前、和は咄嗟に紬に抱きつき、道路へ押し倒した。
身を起こした紬がまず眼を遣ったのは、左腋下から背中に掛けて大きな切創を負い血を流す和。
そして、包丁を握る息の荒い男。
34:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 14:59:13.34 ID:yFOnK56a0
憂「ええっ!? 本当ですか!?」
律「ああ。ムギの秘書って奴からの電話だ。ついさっき、唯を殺した野郎がムギを襲ったらしい。
でも、逆にムギにブチのめされて逮捕されたって……」
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