過去ログ - ファンタジスタドール・アーキタイプエンジン
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:15:03.33 ID:N32HQaaSo
ともかく私はいつものように出勤したのである。
川越研究所、我々はこの場所をそう読んでいた。とある外資系企業の研究所というのが表向きの看板であった。
その実は、理想の女性を人為的に生成することを目的とした機関Y-ome《ワイ-オーム》の研究所だった。

たぶん世間的には"いかれた"と評されるその目的に向かってたくさんの同志が研究に勤しんでいた。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:15:48.31 ID:N32HQaaSo
それは"破壊"することだった。人の営みや自然の理を破壊したかった。
おそらく神が気まぐれで設計しただろう我々を縛るシステムを叩き壊したかった。

でも私はナイフを持ってそこいらで暴れるような気概を持ち合わせていなかった。
せいぜいできるのは舞台の上で演奏していたギターをめちゃくちゃに破壊する程度のことだった。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:17:07.82 ID:N32HQaaSo
「主任、おはようございます」私は直属の上司に向かって挨拶をした。

「おお、篠崎、おはよう。今日は来ないかとおもったよ」

「まあ、家でも研究できますしね。ノー出勤デーとか作れませんかね」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:18:12.74 ID:N32HQaaSo
「そうだ、今日はアウェイキング実験があるんだが、見に来ないか」

「え!見に行っていいんですか?」

アウェイキング実験は傾斜理論や網心理論の果て、つまるところ我々の目指している究極の女性の創出の実験そのものだ。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:18:56.78 ID:N32HQaaSo
「でも今更なぜ私に」

「上の連中に君の研究を気に入っているものがいてね。本物を見せてフィードバックさせたいんだろう」

「私の研究ですか」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:19:35.89 ID:N32HQaaSo
「まあ、上の意図はよくわからんがモビリティを重要視しているきらいがあって、どうもポータブルデバイスに搭載したいそうだ」

「サーフェイスをですか。わかってはいましたけどもうはや実現させたいんですね」

現在のサーフェイスは開発されたもので小さな部屋一つを占有する程度の面積を持っていた。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:27:46.58 ID:N32HQaaSo
#0x02

「これがサーフェイスの実物ですか、主任」と私。

「そうだよ。どうだね感想は」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:28:44.58 ID:N32HQaaSo
制御機器の並んだ外側の部屋から私は強化ガラスで仕切られた内側の部屋のサーフェイスをじっくりと眺めた。

部屋にはスーツを着たスポンサーのお偉いさんやら私よりもう少し技術よりの、作業服を着た同僚たち、また私を含む白衣を着た研究者などが十数名ほどいた。

するとスーツを着た壮年の男性――彼は多分我々の機関の重役だろう以前に見かけたことがある――が話し始めた。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:29:25.37 ID:N32HQaaSo
「本日はようこそおいでくださいました。本日は我々の悲願である完全な女性の創成、その進捗状況をお見せいたしましょう」
「我々はこれをアウェイキング実験と呼んでいます。我々はまず『イヴ』という名のドール――人造女性を誕生させました」
「しかし、それには幾ばくかの問題点があって、以降は中間アウェイキングと呼んでいる、いくつかの機能をコンピュータに代替させる手法によってドールを産んできました」

「本日の実験で生み出しますのは49体目のドール『周』になります。円周率の周でアマネと呼びます」


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:30:34.94 ID:N32HQaaSo
私はともかく嬉しかった。ドールの誕生、それは人間の緩やかな死の始まりだ。
人間はドールに夢中になり子をなさなくなるだろう。
あるいはドールは固有の遺伝子すら持って人間とまじわり、新たな生物が生まれるだろう。

ドールは遺伝子ではなく思念の集合体なのだと思う。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/27(金) 00:31:41.27 ID:N32HQaaSo
「ではいよいよ誕生の瞬間です」
空間に光が集まって徐々に人の躯の形を成していった。身長は私より低く、小柄だった。
その光の強さが極大に達すると徐々に弱まっていき、そこからはっきりとした輪郭が現れてた。

すると周囲が騒がしくなるのがわかった。生まれてた彼女の顔は可愛らしく、胸はほんの僅かに膨らみ、薄桃色の乳首をしていた。
以下略



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