過去ログ - 【オリジナル】乙女合体ガチユリダー
↓ 1- 覧 板 20
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/09/27(金) 13:45:15.29 ID:Z5YrHbED0
2038年 9月某日
海城都市、島京。
東京の機能が壊滅状態に陥り今や寂れた廃墟と化した今、日本の首都として機能するその街はまさしく完全な未来都市として人々に安寧とした平和を約束していた。
しかし、いくら街がより機能的に、より美しく未来を演出しようとそこに住む人間の本質は変わらないのだろう。
卸したての機能的な制服、そして茶髪をポニーテールにしている少女…琴主・交はつい先日東京から島京へと引っ越してきたばかりである、この物語の主人公。
彼女は今、一言でいえば怪しい勧誘を受けていた。
黒い女「ねぇねぇねぇ、君可愛いじゃな〜いね?ちょこっとお姉さんと良いお話をしないかしらねぇ?」
真夏も過ぎてまだ残暑、だというのに黒いコートに黒い服と全身黒尽くめの怪しい女が後ろからやけに馴れ馴れしく話しかけてきたのである。
琴主(………変な人だ!!よし無視だな…)
今や田舎と化した東京の生まれ、しかし一般常識はさすがにある。
黒い女「いい働き口があるのだけれど、君はお金とかに困ってないかしらねぇ?」スタスタスタスタ
琴主(それ絶対怪しいバイトでしょ!?)カツカツカツカツ
黒い女「今ならサービスボーナスもつくわよん?それにちょっと体を張るだけで今まで見えなかった世界が見えるようになったり…」スタスタスタスタスタ
琴主(しつこいなぁ…!!)タッタッタッタ
こんな怪しい人の言葉を聞いたらダメだ、交はそう思って黒い女の話を無視してさらに早歩きで通学路を急いだ。
やがて目指していた学園の門を潜ると、流石に黒い女はついてこなくなった。
黒い女「あらぁ……じゃあ待ってるからねぇ〜?」
しぶしぶ去っていく黒い女を見た交はため息をつくと校舎に振り返って歩いて行った。
天銅医大付属女学院 高等部1年A組
先生「…というわけで、先日東京から引っ越してきた」
琴主「琴主・交です!!よろしくお願いします!!」
先生「保健委員に連絡は行っていると思うが、琴主さんもまた特殊な治療行為の貴重な被験者として本校に転校してきたそうだ。なのであんまり無茶をさせないように、以上!!」
先生が紹介を終えると、交は先生が指示した人のいない席に座った。
すると隣の席に座る少女が席を寄せて話しかけてきた。
正純「保健委員の正純・まつりです。これからよろしくお願いしますね?」
琴主「あ、あぁありがとうね。これから宜しく」
生まれて初めて見たような金髪の美少女に笑顔で話しかけられた。
田舎で育った交には同年代の女の子と話す機会があまりなかったため、少しだけどもりながらもまつりと握手を交わした。
すると異変、琴主の視界に突如としてパッパッと電子生徒手帳のウィンドウが広がり、《フレンドリスト登録しますか?》という表記が現れたのだ。
琴主「あっ、わわっ!?」ガタッ
正純「あぁ、ごめんなさい。琴主さんは初めてだった?」
琴主「えっと、ごめん視界に出るのはあんまり…あれ?」ピピッ
交はフレンドリスト登録を終えると明けた視界に違和感を感じた。
いつも『こういう現象』が起きるときは大抵手の端末に何らかの電子製品をとった時なのだが今はただ握手を交わしただけで互いの手にそれは握られていなかったのだ。
正純「ふふ、同じ人に会うのも初めてでしたか?」
琴主「あっ…じゃあ君もなんだ…?」
交の問いに、まつりは手元に『交にだけ見える』立体ウィンドウを出した。
そこには、交には見慣れたものが表示されていた。
[全身義体医療受診証明 正純.まつり]
2033年4月1日、「ジオイド」と呼ばれる正体不明の毒霧が大地から散布され地球上の半分の命が奪われた。
世界各地で発生したジオイドの被害を受けたものの多くは子供たちだった、そのため一部の人々は子供にある特別な処理を施して正体不明の毒霧から守ろうと試みたのである。
それが全身義体、琴主・交と正純・まつりもまた、そのような経緯にしてサイボーグ化した子供たちだった。
208Res/314.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。