過去ログ - 落とし胤の一夏「今更会いたいとも思わない」
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◆G4SP/HSOik
[saga]
2013/09/28(土) 12:25:52.75 ID:mq5otnXP0
一夏「くそ、長い長いエレベーターだった」
一夏「――――――残り時間は?」
爺様「10分だ」
一夏「来い、『白式』! イグニッションブースト!」
SP1「ご武運を!」
一夏の『白式』は真っ先にビルの外に出るためにあらゆる障害物を突き飛ばして駆けていった。
防弾ガラスなど『零落白夜』の月光のように青く淡い光の剣にとってやすやすと砕け散り、
ビルの外に出ると再びイグニッションブーストの急発進で垂直に昇っていく。
外は雨はザーザーと激しい音を立てて降っていた。
一夏「くぅううううううう!」
爺様「爆弾があるのは儂の部屋と屋上のようだな」
一夏「うおおおおおおお!」
それは隕石のようにビルを突き破り、内装をメチャクチャにして、爆弾目掛けて突入する。
一夏「これが爆弾か!(…………どういうことだ? この程度の爆弾ではこのビルを倒壊させることなんて不可能だぞ!?)」
一夏「解体に後回しにして、最後の爆弾を!」
爺様「頼むぞ」
そして、爆弾を刺激しない程度に来た道を引き返す。
メチャクチャにして入ってきたのと対照的に比較的ゆったりと出て行ったために、己がどれだけの破壊をもたらしてしまったのかがよくわかってしまう。
一夏は目的のために必要とされる損害のことを考えて、つい溜め息を吐いてしまう。
だが、この程度で怯んではいられなかった。いや、怯んでいては全てを失うのだ。
何かを失うことは哀しくとも、全てを失うよりはこれまで通りを演じていた方が圧倒的に損害が少ないのだ。生きる希望は死なないのだ。
だから、一夏は今は止まらなかった。上に立つべき者は前に進むことしか許されない。
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