461: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:43:30.42 ID:47+h4pm/0
学者「まあ赤の他人、それも生者でない者のことなどどうでもいい。その後貴様はどうしたのだ?」
竜『我は今まで以上に人間を避けるようになった。日に日に険しい土地へと身を寄せた。しかし、どんな辺境の地に隠れ潜もうが必ず奴らが来てしまう。ありえない偶然が重なり奴らとの邂逅が果たされてしまうのだ』
学者「ほう、なら私が貴様と出会ったのも運命の赤い糸という奴で繋がれていたのかもしれんな!」
462: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:45:00.60 ID:47+h4pm/0
学者「貴様の人間に対する価値観には幾ばくか興味がそそられるが話が逸れているな。軌道修正を要求する」
竜『ああ、といっても語ることなどもう殆どない。そうして我は可能な限り人の目を避け、この地に身を置いたのだ。恐らく数百年程は見つからなかったためこの地なら、と思っていたのだが…』
学者「いやあ残念だったな、はっはっは」
463: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:47:55.56 ID:47+h4pm/0
学者「ふう、さてそろそろ床につくとするか」モゾモゾ
竜『やっとか、貴様が一々話しかけてくるために我は著しく疲れ果てたぞ』
学者「貴様は無愛想ながら律儀に答えを返してくれるからな、恋人にするなら最適だ」
464: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:49:20.76 ID:47+h4pm/0
竜『ふむ、書物を積めばわかるだろうか』
学者「こればかりは経験を積まねば難しいだろうな」
竜『学者貴様は恋の経験はあるのか? あるなら語ってみろ』
465: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:50:50.83 ID:47+h4pm/0
学者「…とこのような甘く切なくメランコリーな感情を恋というのだ、わかったか!?」
竜『うむ、さっぱりわからん』
学者「ああ正直話を聞いている間の貴様の表情で薄々察しておったわ! 欠伸が2桁を越えたあたりで私の話術の自信は霧散した!」
466: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:51:28.52 ID:47+h4pm/0
―夜―
学者「ぐがああああああぁぁ…」グビー
竜『…五月蝿くて眠れん』
467: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:52:32.17 ID:47+h4pm/0
―1ヵ月後―
学者「ふーよっこらせ」ドサドサッ
竜『配達ご苦労。帰っていいぞ』
468: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:53:29.04 ID:47+h4pm/0
学者「貴様は己が何者なのかを知りたくはないか?」
竜『……! それが貴様にはわかると言うのか』
学者「それを知るための実験だ」
469: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:54:39.29 ID:47+h4pm/0
竜『…………』ペラペラ
学者「なあそういえば」
竜『気が散る、口を慎め』ペラ
470: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/01/19(日) 22:55:37.38 ID:47+h4pm/0
竜『読了したが…有益な内容とは言い難いな』
学者「何故だ? 貴様と同じ種族について記されているのだぞ?」
竜『所詮は創作だ、今ここに確固として存在している我とは何の関係もない』
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