過去ログ - 『「雨だ……」』
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625: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:03:06.66 ID:XWa9l6uJ0
竜『そんな君が今更ここに来たってことは助けを求めに来たんだろう? でも、抱えている悩みを声に出してもらわないと俺は君を何の不幸から助けてあげればいいのかわからないよ。だから君を苦しめているものの正体を俺に教えて、お願いだ学者』

学者「…………」



626: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:03:46.35 ID:XWa9l6uJ0
竜『…………』

学者「…………少女が」

竜『うん』
以下略



627: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:04:24.74 ID:XWa9l6uJ0
竜『……話はわかった。予想以上に深刻な状況だね』

学者「…私は、私はあの子に何もしてやれなかった。私は無力だ」

竜『……1つ聞きたい、君の望みは少女が生き延びることなんだよね?』
以下略



628: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:05:01.65 ID:XWa9l6uJ0
学者「ふざけてるのか…?」

竜『前読ませてもらった説話集に載っていた竜の血を体に浴びて不死身になった人間の話、覚えてる?』

学者「…ありえない、それなら大昔に貴様を殺した人間達は皆返り血を浴び今も生き残ってることになるぞ」
以下略



629: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:05:35.14 ID:XWa9l6uJ0
学者「……貴様が何かを願ったときか」

竜『うん。肉を焼きたければ炎の吐息を、動かないで欲しいと思えば石化の視線を、誰にもこの姿を見られたくなければ透明な体を得られたようにさ。俺がたった1人の女の子を救いたいと心から願ったなら、今この瞬間から俺の血には不死の力が宿るんじゃないかな』

学者「…なんて、なんて都合のいい話なんだ。そんな夢物語に私の娘の命を託せと…?」
以下略



630: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:06:06.06 ID:XWa9l6uJ0
―少女の病室―

学者「…………」ガチャ

少女「…………」ヒューヒュー
以下略



631: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:06:37.54 ID:XWa9l6uJ0
学者「(メビウスから貰った血を体に振りかけたが……)」

少女「…………」

学者「(駄目か……?)」
以下略



632: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:07:12.08 ID:XWa9l6uJ0
学者「……………………あきらめるな学者」

学者「(あいつが少女を救いたいと言ったのだ、ならこの血には少女を救う力が宿っているはずなのだ……それだけは間違いない)」

学者「(なら……間違っているのはなんだ?)」


633: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:07:45.67 ID:XWa9l6uJ0
学者「(そもそも血を浴びることによって得る不死身はあくまで皮膚が硬質化するものだったはず…外傷には効果があっても病気では意味がないのか? いやだが…)」ソッ

学者「(これは血がかかった部分もまったく固くなっていない。何故だ…?)」

学者「…考えろ、思考を止めるな、きっとその先に答えがあるはずだ…」


634: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/05/11(日) 19:08:49.66 ID:XWa9l6uJ0
学者「(……待てよ、確か英雄が不死身になるあの話には別のパターンも存在していた。その方法は…竜の心臓を喰らうこと…?)」

学者「(馬鹿な、子を助けるために私に友を殺せというのか!? だ、だがあいつは死んでもどうせ生き返るではないか……ならば…1度くらい…)」

学者「…………」


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