過去ログ - 日向「強くてニューゲーム」
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944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/05(土) 11:31:33.30 ID:WBne/CcE0
だ。
「あと、一緒にいるのは…ごめん、よく見えなくて。もう結構暗くなってきたし」
「俺、田丸」
「田丸か…」
田丸大輔(男子9番)。
なぜ、この二人が一緒にいるのか…?
普段の生活から考えて、マンツーマンでいるところがあまり想像できない組み合わせだ。
きっと色が同じなのだろう、という仮定を立てた上で、佳之はベレッタを持つ右手に力を入れた。

「お前らさ、同じ色だよね?」
佳之がそう言うと、大輔と朋彦の緊張が高まるのが空気を通して伝わってきた。
「それは…俺たちが一緒にいるからそう思うわけ?」
「まあそうだよね。だってさ、色が違ったら一緒にいるメリットないでしょ、このルールで。
だから俺はそう思ったんだけど…どうなの?」
数メートルの距離の間に漂う緊張感。
数秒置いて、朋彦が口を開いた。
「…そうだよ、田丸と俺は、同じ色」
「やっぱりね。で、何色?」
佳之自身は青だが、先程長島めぐみ(女子9番)のポケットから白いくじをくすねてきた。
だから二人の回答により、こっちの出す手を替えることができる。

「石川くんは、何色なの?」
まあ、そう返されるよな。
そこで佳之は、ずっと地面に向けていたベレッタの銃口を朋彦と大輔に向けた。
「先にきいたのは俺。だから正直に言って」
やはり暫くは反応がない。
ひゅう、と風が吹き、ああ、冷えてきたな、なんて思ったその時、朋彦が口を開いた。
「俺たちは、青だ」
「証拠見せて」
そう言うと二人はほぼ同時に、ポケットから青いくじを取り出してこちらに見せてきた。
赤でも白でもないことは、この明るさの中でも分かった。
「そっ…か。俺も、青なんだ」
佳之はベレッタをズボンのポケットにしまい直すと、ブレザーの右ポケットから同じく青いくじを出した(白は左のポケットに入れてある。感触が同じなので、一緒にしておくと厄介なのだ)。
安心した。
クラスメイトを[ピーーー]のには肉体的にも精神的にも疲れる。

俺は、この二人のことは殺さなくていいんだ。

そう思うと、自然と体中の筋肉が弛緩していった。

「あっははっ、良かった。じゃあ俺たちは、殺し合わなくていいんだな。仲良くできる」
「お…おうっ。そうだよ、良かった良かった」
佳之が笑うと、ずっと黙っていた大輔がそれに応えた。
自然と足が動き、佳之は二人との間を詰める。


「ねえ、石川くんはさ、その…やる気なの?」
一度は佳之につられて笑んだ朋彦が、一転して不安げにたずねる。
「ん…まー色違う人だけ[ピーーー]つもりでいる。
だって考えてみろって。普通のプログラムと比べて、敵が3分の2なんだぜこれ? やる気になったっていいじゃんか」


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