過去ログ - ペリーヌ「高秋のフォーマルハウト」
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6:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/10/04(金) 23:46:49.82 ID:0p3z+N1C0
見慣れた帰路に着く。
閑静な住宅街を行く。
秋独特の風と香りを感じながら、私は往く。
あの夏祭りがあった、公園のベンチが目に入った。
どうせ明日は学校も習い事も休みで、特にすることは無い。
寄り道をして帰ろうと思いつき、自販機の“あまりおいしくない”あたたかいミルクティーを買う。
顔を上げれば、いわし雲。
秋の夕暮れに現るは大魚の口、フォーマルハウト。
ダストリングに囲まれて、ロイヤル・スターのお出ましだ。
もうじき、冬が来る。
秋波を送るのも、もう止めだ。
振り返ると、夕焼けに照らされて映し出された私の影は、一つ。
あの人の影を踏みながら歩く、あの子は……なんて幸せなのだろう。
そのイメージが頭にこびりついてしまい、私は払拭することも出来ず、ただただその願望に溺れていく。
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