過去ログ - 狛枝凪斗「VSディスペライザーpart.1」 -SS速報VIP

過去ログ - 狛枝凪斗「VSディスペライザーpart.1」

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35:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:19:23.44 ID:PJ8Neh+ho

　あれから、一週間が経ちました。あのあと、少しだけ気をつけて狛枝さんの様子を見ていたのですが、特に変わったこともなく……結局、あのことはただの夢だったのだ、と思うことにしました。小泉さんに聞いてみても、あの日はまっすぐに帰った、とおっしゃってましたし。

　まだ七海さんと宇佐美先生の姿が見えないのが気になりますが……他の皆さんがあまり気にしていないようなので、私も必要以上に騒ぐのは止めました。きっとまた、いつものようにひょっこり顔を出すはずです。

36:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:19:50.67 ID:PJ8Neh+ho

「あれ？　罪木さん、一人？　じゃあよかったら一緒に帰らない？」

「え？……ふゆぅ！？」

37:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:20:19.53 ID:PJ8Neh+ho

「あの、狛枝さん？　なんで、階段を登ってるんですか？」

「言ったでしょ、見せたいものがあるって……いや、会わせたい人って言ったほうがいいかな？」

38:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:20:48.27 ID:PJ8Neh+ho

「やめろ！」

　その瞬間、屋上のドアが大きな音をたてて開かれて、日向さんが勢い良く飛び込んできました。

39:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:21:27.34 ID:PJ8Neh+ho

「と、いうわけだ日向くん。そこを退いてくれないかな？　”超高校級の絶望”である彼女を乗り越えることで、ボクは”超高校級の希望”として輝くんだ……」

「そんなこと言われて、『ハイそうですか』って退くわけないだろ！」

40:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:21:57.22 ID:PJ8Neh+ho

「まったく……ツマラナイことをしますね」

　次の瞬間。私の目の前にあったはずの狛枝さんの顔が、一瞬にして消えました。見れば、屋上の反対側の落下防止柵にめり込むように倒れています。そして、先ほどまで日向さんが倒れていた場所に立っていたのは……

41:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:22:25.61 ID:PJ8Neh+ho

「そんな……そんなわけない！　ボクは希望になるんだ！　あらゆる障害を乗り越えて！　カムクライズル……オマエがその邪魔をするというなら……オマエも絶望だ！」

　そう言って狛枝さんが指を鳴らすと、私の後ろ、校舎のドアから小泉さんと澪田さんが出てきました。二人とも、虚ろな表情で、ふらふらと狛枝さんとカムクラさんの間に立ちはだかります。

42:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:22:54.68 ID:PJ8Neh+ho

「ちっ！」

　言うが早いか、カムクラさんは信じられない速さで地を蹴って西園寺さんにかけよります。けれど、それより一瞬早く――彼女は、何もない空間に足を踏み出し、そして真っ逆さまに地上へ向けて落ちていきました。

43:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:23:34.96 ID:PJ8Neh+ho

　チャプター４　アウェイク・ヒーロー

www.youtube.com

44:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:24:13.18 ID:PJ8Neh+ho

　今の私には、その顔をはっきりと思い出すことができました。身長180cmほどの、これといった特徴のない、私と同年代の男の子。

「やあ、罪木蜜柑。お前と友達になりたいんだ」

45:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:24:42.65 ID:PJ8Neh+ho

「そう……それがキミの本質だよ、罪木さん。キミは実のところ、絶望そのものを愛しているわけじゃあない。ただ縋るべきもの、奉ろうものを求めているだけの人間だ。それが神だろうと悪魔だろうと、希望だろうと絶望だろうとキミにとっては関係ない……だったら、ボクがキミの希望になってあげるよ。ねえ、罪木さん……」

　ボクは今、灯りの消えたゲームセンターで、二つ並べた椅子に横たえた罪木さんの体を見下ろしている。ようやく、彼女の何重にも上書きされた仮想空間での記憶の下から、現実での絶望の完全な記憶を掘り出したところだ。この絶望を、彼女に重ねあわせ……そして、それを打ち砕いたとき。ボクは、”超高校級の希望”になれる……！

46:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:25:10.09 ID:PJ8Neh+ho

「……え？」

　気がつくとボクの体は椅子をなぎ倒しながら吹き飛んでいた。一瞬遅れて顔面に激しい痛みがやってくる。

47:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:25:36.59 ID:PJ8Neh+ho

　……あれから、どれくらいの時間がたったのだろう。再び目を覚ましたとき、ボクの横にはダルそうに地べたに座り込んでいる日向くんがいた。

「……お、目が覚めたか。江ノ島盾子なら、さっき復活した七海とウサミのやつがデリートしたぞ。お前のその変な力も、もう使えなくなってるはずだ」

48:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:26:04.36 ID:PJ8Neh+ho

　そう言って、日向くんは立ち上がると、ズボンについた埃を手でぱんぱんと払った。そうして、大きく一つ深呼吸をする。

（…………ボク自身の……絶望、か）

49:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:26:32.45 ID:PJ8Neh+ho
　

　そう言うと、日向くんは気を失ったままの罪木さんを背中に負ぶさって歩き始めた。彼が、ボクの前を横切る瞬間。

「あっ」

50:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 21:27:01.47 ID:PJ8Neh+ho

　おしまい。

　ブギーポップ×ダンガンロンパシリーズは完結です。世界観とかわかりにくかったと思うんで、質問とかあったら答えます。

51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 22:08:54.89 ID:sVq+hbRDo
うまく溶け込んでて最高だった。超乙
他に書いたシリーズってあります？

52:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/07(月) 22:44:20.18 ID:PJ8Neh+ho

日向「いんらん☆アイランド？」
ssblog614.blog.fc2.com

日向「罪木くずし？」

53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 23:01:49.18 ID:sVq+hbRDo
ありがとう。3EXの人だったのね

54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 23:04:02.04 ID:0EuZivJ1o
乙
「でぇい！！」になんかワラッタｗｗ

55:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/10/13(日) 22:51:59.73 ID:YzEg8G2To

　エピローグ　新世界より

　www.youtube.com

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