12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 01:07:42.89 ID:F856af2G0
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箒は、一夏の背中を追いかける事が出来なかった。向こうへと歩いていく一夏が、自分の知っている人物ではなのか、そう疑問に思えてならなかったからだ。まさかあれが、一夏なわけがない、以前の彼女ならそう思えたかもしれなかった。だが、そう思えないぐらいに彼女と一夏の離れた時間は長過ぎた。
けれど、一つだけ確かな事があった。彼の眼には、何もなかった。それは今まで見たこともないような眼で、そこからはいかなる感情も読み取る事が出来なかった。それは、あったはずの自分の居場所など、とっくに消え失せてしまったようだった。それを彼女が悟るのには、時間が必要だった。
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