2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:38:02.02 ID:F856af2G0
此処はこの世の果て。この世界の何処でもないここでは、砂漠以外のものはほとんど視界に入らない。そこでは、大洋の中の船のように自分が移動している感覚が消えていく。自分は本当に進んでいるのか、それとも同じ場所で繰り返し足踏みしているのか。しかし、時折、砂以外のものが視界に入る事がある。それは、真っ赤に染まった砂漠迷彩を施された軍服らしきものと、それに包まれた、少し前までは人間だったものの塊だった。砂に埋れつつある人間たちの骸は、敵か、味方か、それすらあったのかも分からなくなっていた。どちらがどちらなのか区別がつかない。等しくこの大自然に埋葬されていくかのようだ。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:39:22.06 ID:F856af2G0
さっきからずっと、耳鳴りのような遠い砂嵐の音が聞こえている。彼は時折、どうして自分がここを歩いているのか思い出せない事があった。それでも、体は何処かへと向かい、規則的な繰り返しを止めようとしない。それは、何か強い力が彼を引っ立てているかのようだった。
自分は何処へと向かっているのか、それは彼にも分からない。
彼、織斑一夏は、この果てしなく続く砂漠をたった一人で、もう何時間も歩き続けていた。さっきから聞こえていた砂嵐の音が、徐々に、何かもっと別の、高いトーンの音に変わっていくように感じる。それとも、やはりただの耳鳴りか、幻聴だったのかもしれない 。だがそれは、何か人の声、女性の声ようにすら感じられるようになってきた。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:40:32.46 ID:F856af2G0
一夏はふと、その声に呼ばれたかのように、ゆっくりと振り向く。そして、そこには信じられないような風景が広がっていた。数え切れないほどの、光り輝くチョウが空を埋め尽くし、絡み合うように舞っている。もちろん、この砂漠にチョウなどいるはずがない。だが不思議な事に、一夏はこれを幻覚だとは感じなかった。むしろ、今まで歩いてきたこの砂漠よりも、このチョウの方がずっと現実のように感じられ、それを見ている自分の意識も、ずっと覚醒しているようだった。そして、何か懐かしいような、安らぐような、奇妙な感覚に囚われた。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagsaga]
2013/10/12(土) 00:41:35.74 ID:Xu+K5Qhn0
一夏改編の人?
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:44:06.43 ID:F856af2G0
このチョウたちは、自分を迎えに来たのだ。さっきの声は、自分を呼んでいたのだ 。そんな風に感じられた。もはや、自分がここにいる理由は全く思い出せなかった。このチョウたちは、自分を何処へ連れてゆくんだろう。天国なのか、地獄なのか、あるいはもっと別の世界か。
「一夏ーッ!!」
彼の名を呼ぶ声がして、目の前にISを纏った女が現れ、辺りを強烈な光が照らした。だが、一夏はそれを眩しいと感じる事もなく、現れた女にも何の反応もみせず、ただ其処で立ち尽くしていた。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:46:04.16 ID:F856af2G0
Dear Mr.Fantasy
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:51:15.62 ID:F856af2G0
山田「あ、あのぉ……織斑くん………?」
山田「順番が『い』のところなので……自己紹介を………」
一夏「…………………………………」スクッ
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 00:57:05.33 ID:F856af2G0
山田「織斑先生、もう会議は終わられたんですか?」
千冬「ああ、山田先生」カッカッカッ
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 01:00:39.42 ID:F856af2G0
「あの人よ、世界で唯一男でISを使える男性って」
「なんで起動させたんだっけ?」
「そりゃあ入学式の時でしょうが」
「ニュースなってたっけ?」
「あれ?そんなになってなかったね」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/12(土) 01:04:46.54 ID:F856af2G0
「待て、一夏!」
一夏「…………………………」
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