過去ログ - 一夏「祈るがいい」
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134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/07(土) 02:07:47.74 ID:Ok4hVmS10

「はぁ………何よこの無駄にだだっ広い学園は、受付も職員室もありすぎでしょうがまったく………」

広い学園の敷地内で、少女は適当に辺りを見渡しながら歩く。もちろん、転入手続きやその他の手続きも全て終わらせたからこうして歩いていた。威勢よくIS学園内を探し回っていたが、その途中で適当に捕まえた学生に受付の場所を聞いたが聞き方が悪かったのか答える方が悪かったのか、目的地とは別の場所を数回教えられたのでこうしてぼやいている。職員室への道のりも同様だった。
時刻はすでに七時を超えていて、辺りはすっかり暗くなっていた。そんな中を夕食までの暇つぶし目的で探険していたが、そろそろ回るところもなくなってきていた。なので、女子寮に向かうついでにこれから自分が使うであろうIS訓練施設でも見てから向かおうと歩いていた。
少女のいる場所から訓練施設へは少々距離がある。その途中で閃いた名案を実行しようと思ったが、最悪の場合は外交問題に発展しかねなかったのでしなかった。だが、それと同時に自分に向けて懇願する政府高官の顔を思い出して、一人ほくそ笑んでいた。
少女には嫌いなものが三つあった。回りくどい事、微妙な扱いの物事、気に入らない事。当然、大した事もない理由でふんぞり変える奴など言語道断だった。
性格は、考えている暇があるなら先に動き出す、考えるのは二の次だった。彼女の国の言葉に万機に背く事なかれ、といった言葉がある。だが、そんな事など知った事ではないのが彼女だった。だから、今も地図を見て考えながら歩くよりも、地図も見ずに勘で歩き出しているのが彼女だった。
そんな彼女の心の中には一人の少年がいた。その少年は、男も女も、生まれ違いなども関係なく自分を受け入れてくれた。呆れるほど真っ直ぐだった。そんな彼の事を彼女はとても好いていた。
少女は、少しばかり思い出に浸っている内に目的地に到着してしまっていた。

「いい訓練になりましたわ」

「………やはり専用機持ちは違う」

少女の視線の先、訓練施設から出てきた金髪の女と黒髪の女、そして二人に挟まれている長身の男。

「一般生徒ならともかく、射撃特化型には刀一本では少し厳しいな………」

「私は近接戦闘が少々手厳しいですわ」

「けど有利なのはお前だろ?相手を寄せ付けなければいい」

「簡単におっしゃりますけど、刀二本で戦うようなものでしてよ?それにレーザー兵器は撃ち過ぎるとエネルギー切れがあって大変ですの」

「私の流派は二刀流だ」

「そうゆう事ではありませんの」

金髪の女と黒髪の女が会話を交わす中、間にいる長身の男は、それ等を意に介していないように、少し不気味さを感じるぐらいに平静としていた。


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