過去ログ - 晴海「秋月マキシの本を……、読まずに死ねるかぁ!!!」
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14: ◆o.umvroRL9by[saga]
2013/10/13(日) 23:23:52.86 ID:/QXSZGheo

しばらくバルコニーでくぅーんくぅーんと鳴いていると大門さんが現れた。

大門「大丈夫か?」

春海『大丈夫じゃねぇよ……。あわや紐なしバンジーだよ』

大門「すまん、あいつには荒療治が必要かと思ったんだ」

俺の心が今一番荒れてるし治療が必要だよ。

大門「まぁ、助かったんだからいいじゃないか」

春海『それを本気で言ってるなら喉笛噛みちぎってやる』

大門「冗談だ」

あんた笑わないから冗談に聞こえないんだよ……。

大門「今出してやる。ちょっと待ってろ」ゴソゴソ…ガチャ

春海『い、いいのか……?』

大門「いいだろうよ。それから、マキシが戻ってくるまで暇だろう。ほら、これでも読んでろ」つ本

春海『そ、それは! 秋月マキシ著、『Ten take off minds』!!』

大門「読みたかったんだろう?」

目の前の本に、俺は我を忘れて飛び付く。
本。本だ。本がある。本が読める!
まだ慣れない犬の体で必死に表紙を捲る。
次に扉、目次、そして1ページ目と捲っていく。
インクと紙の匂いが鼻をくすぐる。
涙を流さずにはいられなかった。
心を満たしていく多幸感。
初めて本を読んだとき、きっとこんな気持ちだったはずだ。
俺が本当に生き返ったのだとしたら。
それは、この瞬間だったのだろう。


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