過去ログ - 美琴「お兄ちゃん!」一方通行「おォ、美琴かァ」
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3:鬼桜 ◆aVMyA5iujQ[saga]
2013/10/14(月) 19:42:45.93 ID:sCmP6thZ0
 最近は以前にも増して「とある人物」に夢中になっている少女と、久しぶりに取り付ける事の出来た約束なのだ。

 ここで一発、自分をアピールしようと必死に練った計画が破綻しようとしているのだから、黒子が焦る気持ちもわからないわけではない。

 もっとも、その「必死に練った計画」というものが『友達の紹介とかこつけたお姉様籠絡計画』などというものであるのだから、今、目の前に広がっている光景は因果応報と言えるものだろう。

 焦りばかりが先行し、言葉のでない黒子を差し置き、目の前の少女――御坂美琴は不意に表情を崩すと、溜息混じりに呟いた。


「だいたいねぇ、あんたは『女の子として魅力的』なんだから、私なんかにうつつを抜かすよりももっと周りに目を向けてみればいいのよ」


 ――あんたは女の子として魅力的なんだから

 ――――あんたは女の子として魅力的なんだから

 ――――――あんたは女の子として魅力的なんだから



 頭の中を、美琴の言葉が反芻する。


「お……お姉様」


 気持ちが高揚する。自分の声がうわずっているのが解る。

 その理由を考えるよりも早く、黒子は今の抑えきれない気持ちを、躊躇うことなく解放した。


「黒子が、黒子が間違っておりました、お姉様はもう私の事を人生の伴侶≠ニして認めてくれていたのですねっ!」


 一息でまくし立て、美琴に向かって某怪盗を彷彿とさせるダイブを繰り出す。

 瞬間、美琴のこめかみに青筋が立った。


「どう考えれば、そうなるのよッ!」


 怒号とともに、美琴の体表を覆っていた静電気が意志を持ち、黒子へと降り注いだ。


「――――ひゃぅっ!」


 体中を駆け巡った衝撃(電撃的な意味で)に耐えきれず、黒子は意識を手放した。

 ちゃっかりと、美琴の胸元へと飛び込みながら。


 抱きつけるのならば、意識の一つや二つ飛ばすのはやぶさかではないと、消えゆく意識の中で思ったりとか思わなかったりとか。


 ……いや、確実に思ったり。



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