14: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/18(金) 00:13:33.76 ID:BTrtdNaVo
『ええと、シンデレラガールズ・プロダクションまで。住所は――』
タクシーの運転手へそう伝えると、扉が閉まり、タクシーが動きはじめる。
僕は、ビジネスバッグのポケットへスマートフォンを仕舞い込むと、少しの間目を閉じる。駅からおよそ十五分の距離だ。大通りを進んで、少し支道へと逸れた場所にあるらしい。
しばらくすると、いくつか道を曲がる感覚を感じ、僕は目を開けた。時間も丁度いい具合で、間もなく到着するだろう。
「到着ですよ、お客さん」
そんなタクシーの運転手の声と同時に、僕はポケットの財布を取出し、支払いを済ませる。領収書を受け取ると、タクシーから降りる。
そして、目の前にある建物をゆっくりと見上げた。四階建ての、ガラス張りが良く映える、小奇麗な社屋だ。
事前に調べたところによると、社屋自体は完成していて、あとは調度品の運び込みと、併設される寮の完成を待つだけらしい。
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