42: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/10/25(金) 16:02:08.82 ID:DkuGHhzUo
「はいはい、おや、どちら様ですかな?」
『失礼します、シンデレラガールズ・プロダクションより、本日付で出向辞令を受け参りましたPと言います。御社の社長様はいらっしゃいますか?』
その男性に向かって、僕は一礼をすると、別に用意をしているわけでもない口上をすらすらと並べ、自分が何者かを説明した。
すると、その男性はにっこりと笑い、
「おや、これはまた、お若い方が着てくれたのですな。私がこのプロダクションの社長です、良くぞ来てくださいました」
と、僕の手を取った。なんとなくだが、アットホームな職場ではあるのだな、と僕は思った。こういう少人数の企業ではそうなりがちなものだと、経営学の講義で聞いた覚えがある。
もっとも、僕にとってはあまり関係のないことだ。ただのビジネスライクな関係のカードとして切られた存在なのだから、このプロダクションの雑用として働くしかないだろう。
『歓迎していただくことはありがたいのですが、ともかく仕事のほうに取り掛かりたいと思います。ご指示をいただければ、その通りにさせていただきますが』
結局のところ、成果を残せなければシンデレラガールズとしても、僕としても、このプロダクションにしても意味のない出向になる。一刻も早く仕事に取り掛かりたいところだったが――。
「まあ、そんなに急くことはないでしょう。とりあえず、うちの社員を紹介しましょうかな。一年足らずとはいえ、うちの社員となってもらうのですから」
思ったよりも、僕は歓迎されているのかもしれない。もっとも、だから何なのだという話ではあるのだが……。
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