過去ログ - 肇『はじまりの日』【モバマス】
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/17(木) 00:26:54.63 ID:vBZcu7uY0
そんなやりとりで微笑を浮かべる藍子さんは、仕草の一つ一つに自然な柔らかさがあって、気の置けない相手と居る茶室のような、澄んでいながらも長閑なというか、形容のし難い落ち着いた雰囲気がこの場に満ちていくのを感じます。
同時に、相応に年長者であるはずのモバPさんが自然に謝罪と感謝の言葉を発していたことに、びっくりしてしまいますした。私の周りではほとんど見られない光景でしたから。
きっと、この二人は言葉数が少なくてもお互いに居心地の良い空間を醸成するのでしょう。
その後のやり取りも含めて、年齢差に拘らない二人の信頼関係が見えた気がして、それを少なからず羨ましく思う自分に驚きつつ、それこそが自分の考えが正しいことの証左でもあると気付きます。

「さて、改めて、話の腰を折ってしまってごめんなさい」

「あ、いえ……」

「さっきから何回か名前が出ちゃってますけど、私、高森藍子って言います。一応アイドルやってる16歳です」

改めてよろしくお願いしますね、と差し出された手を恐る恐る握り返します。
予想通り柔らかくて温かい手に、陶芸や釣りでで荒れてしまった自分の手が傷つけてしまったらどうしよう、などとふと考えてしまいます。
そんな考えを片隅に追いやりつつ、

「藤原肇、同じく16歳です。モバPさんに誘われてここに来ました」

そう返すと、「同い年なんですね!」と握った手を数度上下に振って、

「でもはじめちゃん、さっきあっさりアイドルになること受け入れてたけど、大丈夫なの?」

と心配げに尋ねてくる。

「大丈夫です。おじ……祖父の了解はもう得ましたし、モバPさんも藍子さんも優しい人だと思うので」

確かに岡山から出てきて、都会に圧倒されていたのは事実だけど、ここなら大丈夫だろうな、と思える暖かさがありましたから。



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