229:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 03:58:15.32 ID:bI8LcE9n0
女「嘘よ!」
金髪男「いや、我輩はつまらぬ嘘をつくような男ではない―――というか
もう嘘をつく気力などない………信じてくれないだろうか」
230:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 04:20:37.21 ID:bI8LcE9n0
金髪男は随分長い間、悩みました。
悩みぬいて、唸っていました。
金髪男「………」
231:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 04:26:43.07 ID:bI8LcE9n0
その男の身につけた装飾品―――は。
母が身につけている婚約指輪とは随分、趣が異なります。
百貨店の貴金属売り場に、ショウケースの中でしか並んでいないようなもの、とも
似通ってはいませんでした。
232:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 04:29:26.11 ID:bI8LcE9n0
知らない文字で構成されていて、見ているだけで不安になるような
力が発せられているかのよう―――眩しい。
眩しかったというか、じっと見つめていると目がおかしくなってしまいそうな感覚がありました。
もしも魔界の人間ではないにしろ只者ではない―――それだけは確実。
233:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 04:41:38.28 ID:bI8LcE9n0
もう一度言っておきますが、確認しますが、金髪男の両手は私が縛っておきました。
だから身動きはできなかったはずです。
しかし。 ダンス
私の部屋の衣装箪笥が宙に浮いていました。
234:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 04:47:59.82 ID:bI8LcE9n0
女「あなた、さてはマギー司郎!」
もしくは………。
女「もしくは、なんだっけ、あの、中国………?の、ホラ、あの煌びやかな衣装の―――
235:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 05:05:28.47 ID:bI8LcE9n0
金髪男「魔力を………台にして、そこに乗せているが、しかし重い………」
女「重いに決まってるよ、衣装箪笥だし―――え、本当に一人で持ち上げてるの?」
金髪男「これ以上無駄遣いは―――できない!」
236:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 05:14:48.13 ID:bI8LcE9n0
女「い、痛たたた………!」
金髪男「無事か? 今のは危なかったぞ―――我が輩は今、身動きが取れん」
女「ご、ごめん―――なさい」
237:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 05:19:38.12 ID:bI8LcE9n0
不審者で怪しい変人のくせに、でもなんだか………。
その時。
どさどさ、と―――何か重いものが落ちる音がした。
238:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 05:28:41.00 ID:bI8LcE9n0
私は、この時にはもう、この金髪男を、
勝手に部屋に侵入していた悪人だと―――そういうものだと思うのをやめていた。
未だに、正体はよくわからないけれど。
239:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/27(月) 05:32:42.68 ID:bI8LcE9n0
女「こうやって、ほら」
金髪男「ああ、それだけで良いのか………この世界とは意外と単純なのだな」
女「そう、かもね………」
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