過去ログ - 安価でシークレットゲーム7
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108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/26(土) 06:15:16.00 ID:KLzLM+ii0
5月下旬、暦の上ではまだ春。
いくら夏に近づきつつあるとはいえ、まだ夜は冷える。
夜を凌ぐためには、建物内にいた方が利口だろう。
ただ、プログラムという状況で、建物内にいるということが本当に利口であるかは、本人の運次第になるだろうが。
プログラム本部のある小学校から見て南西に位置する中学校。
脇に小さめのスクールバスが置かれていることから、大まかに2ヶ所に分かれている住宅地や、その他島のあちこちに点在する民家に住む中学生全員を、島中から集めて学習させていたのだろう。
それでも、クラスは各学年1つしかなく、この島の過疎化が心配される。
しかし、強制的に島に連れてこられた身としては、そんなことはどうでもいい。
島の過疎化より、少子化より、自分の生存が大事なのだから。

その小さな中学校にも、もちろん特別教室は存在する。
理科室、被服室、調理実習室、そして、音楽室。
音楽室特有の五線譜の引かれた黒板の前には、古ぼけたグランドピアノが置かれ、生徒の座る席を挟んで後ろ側には、木琴や鉄琴、アコーディオン、大太鼓といった、大きめの楽器が並んでいる。
音楽会などで一般的にお馴染みのものだ。
教室の壁には、様々な作曲家の絵や写真が飾られ、生没年号が書かれている。
月明かりしか頼りにできないこの状況では、それらは恐怖の対象でしかない。
どの学校にもありそうな怪談話、『写真の人物が夜中に泣き出す』だとか、『ピアノが勝手に鳴り出す』だとか、それが今まさに起こりそうだ。

それでもそこに居座り続けるのは、松浦亮介(男子16番)。
男子の中では、お調子者の村尾信友(男子17番)、温和で人懐こい大塚豊(男子3番)に次ぐ小柄な少年で、いつもオドオドして身を縮めている姿は、信友や豊よりも小さく見える。
クラスメイトの半分弱から“亮ちゃん”という愛称で呼ばれている亮介は、丸い瞳や鼻や口といった顔のパーツが全て小ぶりにできており、男子にしてはやや長く艶のある黒髪は、時に女子に見紛う。


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