245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/16(土) 04:54:58.09 ID:9R8BLELQ0
学校の屋上での昼食――いつもの光景だ。
「あ、大和くん、ほっぺにご飯粒付いてるよ」
「お、サンキュ!」
喬ちゃん(玖珂喬子)と大和(須藤大和)がイチャついてるのも、いつもの光景。
それを見て勝則(藤野勝則)が不機嫌そうに睨むのも、環(村主環)が無関心そうなのも、全ていつもの光景。
それにしても、喬ちゃんと大和は、人前でこんなにイチャついてて恥ずかしくないのか?
アタシ、野原惇子は大和との付き合いが長いけど、あんなに楽しそうにするのも、優しい表情をするのも、喬ちゃんと知り合う前には見たことがない。
そこまで好きなんだ、そりゃごちそうさん。
「あ、あっちゃーんv ほっぺにパンクズが、取ってあげようか?」
「…と、取っていらんわっ!!」
アタシは、弘也(山神弘也)の手を振り払った。
弘也はアタシの彼氏、らしい、一応。
弘也は大和たちの真似がしたかったらしい。
立場が逆だっての。
どうもダメなんだ。
どうしてアタシは弘也の彼女なんだ?
いや、そりゃあ、アタシは…その…なんだ、好きだよ、弘也のコト。
ああもう何言わせてんだ!
だけど、弘也はアタシの何が好きなんだ?
とても理解できない。
喬ちゃんみたいに可愛くないし、環みたいに美人なわけでもない。
図体だってでかいし、態度も悪いし、口も悪い。
もしもアタシが男なら、絶対こんなヤツを彼女になんてしない。
対して弘也は、ね、かっこいいだろ?
細身で背が高いし、キレイな顔してるし。
結構人気あるらしい、女に優しいしね。
だから、とても不安になる。
絶対に釣り合わないから。
アタシは、いつ嫌われてしまう?
別れ話をされる?
「…あっちゃん?」
喬ちゃんに肩を叩かれ、我に返った。
もう昼休みが終わるらしい。
アタシはまだパンを食べている途中だ。
「何ぼーっとしてんだ、バーカ。
次美術だから行くぞ」
大和が喬ちゃんを連れて屋上の扉の中に消えた。
勝則と環も後について行く。
まあね、大和は手先がありえないくらいに器用だから、美術は好きなんだ。
弘也もそういうのは好き。
環もやる気はないけど成績はいい。
だから、皆出る授業だ。
「よいしょ」
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