1: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:50:23.73 ID:X7yv58s+0
都内某所にある芸能事務所765プロダクション。 
 通称765プロ。 
 四階建ての雑居ビルの三階を間借りしているこのプロダクション。 
 ガムテープで“765”と貼ってある窓から外を覗くと 
 白い雪が舞っています。 
 季節はもう冬です。 
  
 自己紹介が遅れました。 
 私は765プロに所属しているアイドル天海春香です。 
 
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:51:12.65 ID:X7yv58s+0
  
 「「「「雪歩、誕生日おめでとー!!!」」」」 
  
 事務所内にクラッカーの音が響き渡ります。 
 今まさにプロデューサーさんと事務所に帰ってきた雪歩が突然聞こえたクラッカーに怯えました。 
3: ◆sIPDGEqLDE
2013/10/24(木) 21:51:55.85 ID:X7yv58s+0
  
 私が作ったケーキに蝋燭を立てて火を灯す。 
 電気が消え蝋燭の明かりだけになった事務所内に皆の歌声があふれます。 
  
 アイドルだけじゃなく、プロデューサーさんや小鳥さん、社長まで雪歩のためにお祝いの歌を歌う。 
4: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:52:44.91 ID:X7yv58s+0
  
  
 P 「さーて、そろそろ良い時間だし皆遅くならないように帰るんだぞ」 
  
 伊織「え〜、もうちょっといいじゃない。気が利かないわね」 
5: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:53:12.38 ID:X7yv58s+0
  
 文句を言う伊織と亜美の相手をするプロデューサーさん。 
 実はイヴかクリスマスくらい休めるようにとみんなどちらかにはオフを入れるように調整してくれたんです。 
 本当は全員オフに出来れば一番良かったんだけどって申し訳なさそうに言っていたけど、それを責める人なんていません。 
 その為に頑張ってくれたのを、皆ちゃんと分かっているから。 
6: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:53:45.52 ID:X7yv58s+0
  
 雪歩「みなさん、今日は本当にありがとうございましたぁ」 
  
 今日何度目か分からないお礼を述べた後お茶を配る雪歩。 
  
7: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:54:32.31 ID:X7yv58s+0
  
 P 「それじゃあ皆気をつけてな」 
  
 さっきまで喧騒に包まれていた事務所。 
 皆が帰ると途端に静かになります。 
8: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:55:14.61 ID:X7yv58s+0
  
  
 外に出ると一面真っ白。 
 雪の舞う中手を繋いで二人で駅まで歩きます。 
  
9: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:55:44.42 ID:X7yv58s+0
  
 言うや否や踵を返して走り出すプロデューサーさん。 
 その背中を見送る私。 
 あの夏の日に見た嫌な夢がフラッシュバックしてきます。 
 あの時は引き止められる距離にいたプロデューサーさんが、今はもう手の届かない場所にいる。 
10: ◆sIPDGEqLDE[sage]
2013/10/24(木) 21:56:22.20 ID:X7yv58s+0
  
 頬を伝う冷たい滴。 
 あの名曲のように、この雨も夜更けすぎには雪に戻るのかな。 
 ふわふわとした、温かい雪に。 
  
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