過去ログ - 許嫁「私、昨日、彼とセックスしました」
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2013/10/25(金) 08:45:49.85 ID:xjhVtzry0
――きみも大変だね、こんなことになって。
無言は想定内なので、気にせず続ける。
――悪いけど、ぼくもこの家の世話を受ける身で、それをなくしたくないから、この話をなかったことにするつもりはないよ。それに、破談にしたら、いろんな人に迷惑がかかるんだろうし。
――でも、心配しないでほしい。
その時初めて、彼女は顔を上げて僕を見た。
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2013/10/25(金) 08:46:16.89 ID:xjhVtzry0
そう言うと、彼女は何故か信じられないものを見るような目で僕を見た。
むしろ感謝されるものと思っていたので面食らったが、感謝されることは目的にはない。
あるいは僕がふしだらな人間だと嫌悪感を抱いたのかもしれないと思い至ったが、それならそれで別に構わなかった。
特に何が変わるわけでもないのだから。
これが、僕と彼女のファーストコンタクトだった。
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2013/10/25(金) 08:47:00.75 ID:xjhVtzry0
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それからしばらくして、彼女が僕の通う小学校に転入してきた。
間違いなく親連中の差金であろう。
その手の早さは見習わなければならないのかもしれないが、わざわざクラスを同じにする必要もあるまいに、いらぬ横車を押してくれたものである。
以下略
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2013/10/25(金) 08:47:32.18 ID:xjhVtzry0
彼女はそんな僕とは全く対照的だった。
転入直後から彼女の周りには人が絶えず、女子は彼女を自分のグループに誘い込もうと躍起になり、男子はなんとかして彼女の歓心を買おうと必死だった。
なるほど、人が集まるとはどういうことか、その実例がそこにあった。
我が親愛なる優秀な兄たちならこの光景を我がものとしていて、今もそうあるのだろうが、あいにく僕にそんなものは与えられなかった。
自分にないものを、彼女たちは持っている。生まれ住み、見ている世界が違う。
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2013/10/25(金) 08:48:27.74 ID:xjhVtzry0
授業中以外は誰とも滅多に話さず、授業が終わればさっさと家に帰る。
僕のひそやかな学校生活が何ら変わらず維持されたのは僥倖であったろう。
なぜなら、大人はやはり考えることが違う、なんと彼らは、許嫁を無理強いした彼女を我が家に頻繁に来訪させたからである。
僕とは違って彼女には引き留めようとする人が多いから、一緒に帰るような事態は図らずも回避された。
それは彼女の社会的地位を貶めないために役に立ったが、放課後、わざわざ帰路を同じくせず僕の家に来るとなると面倒なことになる。
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2013/10/25(金) 08:48:56.41 ID:xjhVtzry0
家での生活も、大した変化はなかった。
放課後、彼女が家に寄るといっても、僕に彼女をもてなしたりなどできないのだから。
僕は専ら読書するか、勉強するか、昼寝するかしていたし、彼女もなにか暇をつぶすものを用意するよう申し渡していた。
彼女が何をするかは努めて関知しないようにした。窮屈な思いをさせることもあるまい。
最初こそ、
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2013/10/25(金) 08:49:22.89 ID:xjhVtzry0
ただ、彼女が僕の家に寄っていることが明るみになり、僕が吊るしあげられた日だけは別だった。
彼女は自分のせいで僕の立場が悪くなったと自分を責めているようだったので、気にする必要はないと言っておいた。
それで話が終わりだと思っていたら、その途端、彼女は眉を立てて詰問するような口調で問うてきた。
「どうして本当のことを言わなかったんですか」
何故怒っているのか皆目見当がつかなかったので、嘘はついてない、と答えて様子を見る。
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2013/10/25(金) 08:49:52.26 ID:xjhVtzry0
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中学生に上がると、親からのプレッシャーが次第に強くなっていった。
つまるところ、お家の安定のために、子弟間の横のつながりを作っておけということらしかった。
他者との関係をなるたけ希薄にしようとする性分が邪魔をしたが、僕が逃げれば、そのしわ寄せが彼女に向かう。
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2013/10/25(金) 08:50:21.72 ID:xjhVtzry0
たまたま参加した集まりでの事だった。
集まりの中でも中心的な男の行きつけのホテルの店らしいが、どこか店内は薄暗い。
そこでは未成年にもかかわらず、アルコール類が供されているようだった。
僕は固辞したし、彼女にも飲ませなかったが、皆はまるで気にせずに飲む。
参加するべきではなかったな、と帰る算段を考えていると、隣りにどっかと誰かが座った。
以下略
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2013/10/25(金) 08:50:53.22 ID:xjhVtzry0
「そういえばさぁ、俺、ずっとお前の横に立ってた女の子、ああ、今も座ってんな、気になってたんだよね」
「お前の彼女かぁ? いやいやぁ、お前にゃもったいねぇだろ。ギャハハ」
「俺にちょっと貸せよ。いいだろ?」
「貸すって、そりゃそのままの意味だよ。もしかすると寝取っちゃうかもだけどぉ、そんときゃ勘弁な!」
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2013/10/25(金) 08:51:27.52 ID:xjhVtzry0
ホテルから通りに出る。
外の冷たい風が肌を差して、自分が彼女の手を掴んでしまっているのを思い出した。
慌てて手を離す。
失敗したな、と思った。
僕が不快に思ったからといって、彼女も不快に思ったとは限らない。
以下略
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