33:お団子 ◆bZ4I4TB4eY
2013/11/03(日) 00:26:34.29 ID:N4DOXtEy0
 時刻は夕方を過ぎていた、既に夕日は沈みかかり、 
  
 街灯の光の方がより綺麗に見えるほどには、時間が立っていた。 
  
 白いマスコットのようなぬいぐるみは、対照的にも見える黒髪の少女の前に座っていた。 
  
 黒髪の少女の左腕には特徴的な機械仕掛けの盾の様なものが見える、 
  
 衣装も普通の私服とは言い難い様なものを着ているのが見える。 
  
 その辺の壁を背凭れとして使い、腕を組み挑発的な目線を白いぬいぐるみに送ると、声を掛けた。 
  
 「それで、話と云うのは一体どんなものなのかしら、インキュベーター」 
  
 鋭く睨みつけられるような目線を物ともせずに、白い、インキュベーターと呼ばれたぬいぐるみは問いを返す。 
  
 「キミにやってもらいたい事があるんだよ、暁美ほむら」 
  
 にこりとした無機質な笑顔に対して顔を歪める暁美ほむらは即座に返答する、 
  
 忌々しいと思うが、冷静を装って、返答した。 
  
 「お断りだわ」 
  
 お返しと言わんばかりにインキュベーターも間髪を入れずに言う。 
  
 丸い硝子細工のような瞳で、暁美ほむらという存在を目視して、またしてもにこりと笑いながら、 
  
 妙な足音を鳴らし響かせて、悪魔の囁きの様にして、短く纏めた言葉を、言う。 
  
 「鹿目まどかの為でもあるのに?」 
  
 『鹿目まどか』というクラスメイトの名前を聞いた瞬間、動揺を隠せ切れなかったのか、 
  
 暁美ほむらの身体そのものが少し揺れた、インキュベーターはその揺れを見逃さなかった。 
  
 「手短に、詳しく話しなさい」 
  
 何時の間にか右手に持っていた銃をインキュベーターの額に突き付けながら話す。 
  
 「おいおい、ボクのストックの事も、勿論知っているんだろう?」 
  
 話し終わると同時に銃声が辺りに響き、弾丸一発とは到底思えないほどの威力を発揮して、 
  
 インキュベーターの頭そのものを消し飛ばした暁美ほむらは、 
  
 自分の足元に転がった約二十発の薬莢を見てから、自分の真後ろを見遣る。 
  
 「やれやれ、やっぱり分からないや、人間っていうのはどうしてそうも端的なんだい?」 
  
 溜息を大きくついたインキュベーターは仕方なく、といった風に話し始めた。 
  
 「暁美ほむら、キミは仮面ライダーという存在を知って居るかい?」 
  
 またも顔を歪ませた暁美ほむらはこれまた仕方なくといった風に小さく「いいえ」 
  
 と、自身の黒髪を靡かせるように頭を大きく横に振って、インキュベーターの居た、 
  
 というか、亡骸を蹴り飛ばしてそこに腰を掛ける。 
  
 「そうか、じゃあまずはそこからの説明が必要だね」 
  
  
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