過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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103: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/09(土) 14:28:58.11 ID:sMiEhRci0

「ぜぇ、はぁ……」
「…大丈夫か?」

景品はどのアトラクションにも優先的に乗れるパスが四枚と、サイダーだった。
激しい息切れをしつつ、トールはサイダーを飲む。
あんなに必死に走ったのは久しぶりだったような気がする。

「霊安室のアイツが怖すぎた」
「あれはトラウマ級だな。
 院内温泉の血の水に手を突っ込んだお前は凛々しかった」
「逃げることにしか神経使ってなかったからな」

サイダーの空き缶をゴミ箱へ。
トールは深呼吸を繰り返しつつ、フィアンマを見やった。
ちょっと目が潤んでいるし、顔は今も赤い。

(走るような立場じゃねえからか)

珍しく一生懸命走ったから未だ顔が赤いのだろうと結論付けながら。

「最初から最後までお前に世話になってしまったな」

ちょっとだけ申し訳なさそうに笑みを浮かべる顔が、可愛く思えた。
それが吊り橋効果なのか純粋な好意なのか、誰にも判別はつかないだろう。

「気にすんなよ。俺が好きで走ったんだ」

トールは照れ混じりにそう言うと、空を見上げる。
暗い施設に居たからか、殊更快晴に思えた。

「―――フィアンマ」
「んー?」

サイダーを飲みながら、彼女は首を傾げる。
対して、トールは数度深呼吸をして。

「…多分。俺にとって、お前は」

ほんの少し顔を赤くしながら、とある事を言いかけたところで。


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