過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/11/09(土) 14:29:23.34 ID:sMiEhRci0
「あれ? お前もしかして……」
声をかけてきたのは、黒髪の少年だった。
ツンツンとした髪をワックスで立たせているようだ。
容姿は人並みで、平凡そうな男だった。
上条当麻(かみじょうとうま)。
学園都市の学生であり、無能力者だ。
とある特別な右手を持つだけの、平凡な少年。
トールの知り合いではない。
「上条当麻か」
フィアンマは慌てて立ち上がり、上条に向かって微笑みかける。
完璧な微笑はトールにとっては違和感しかないものの、上条には綺麗に映る。
上条はトールを見やり、はっとしながらフィアンマに謝る。
「悪い、恋人か? デート中邪魔してごめん」
「そういう訳ではない。ただの友人だ」
どうしてだか。
その言葉は、トールにとって嫌な言葉だった。
友達だなんて、本当は良い表現のはずなのに。
何よりも、フィアンマが上条にとても友好的な態度なのか、トールにとって嬉しくないことだった。
「そ、そっか。この前はありがとな」
「別に礼を言われる程のことでもあるまい」
「いやいや、そんなことあるって」
「学園都市外へみだりに出て良いのか?」
「ん? ああ、ここ、ウチと提携してるだろ。
ボランティアの一環として来たんだよ。手伝い」
「お疲れ様、と言っておくべきか」
「ありがとな」
にこにこと愛想良く、フィアンマは言葉を返す。
好きな男の子に好かれたい女の子の媚びのような雰囲気で。
トールは、彼女が何故そんな態度をとっているのか、知らない。
表面的に見て、端的に腹が立った。腹が立つ理由なんてわからない。
「フィアンマ、行きたい所があるんだろ。遅れるぞ」
トールは言うなり、彼女の手を掴んで立ち上がる。
「じゃあまたな」
上条は手を振って、休憩時間が終わるのか、急いで走っていった。
「……」
フィアンマの『邪魔をするな』と言わんばかりの視線。
トールは彼女から視線を逸らし、てくてくと彼女の手を引いて歩いて行った。
(……何だよ。何に怒ってるんだ、俺?)
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