過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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142: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/17(日) 15:48:13.98 ID:CCGsWMzb0

遊園地からの帰り道。
二人はどちらともなく手を差し出し、繋ぐ。
遊園地内でしていたような握手スタイルではなく、指先を絡ませて。
所謂恋人繋ぎというものには、羞恥心がつきものだ。
フィアンマは小さく笑って、トールは目を細めて手を握る。

きっかけと呼べるきっかけはなかった。

同じ場所で食事をして、睡眠をとり、会話をする。
そんな日常の繰り返しと積み重ねが、好意を生んだ。
その気持ちはとても大切なものだ、とフィアンマは思う。

思うけれど。

(人生というのは皮肉だな)

初めて、一緒に迎える未来を夢見た相手が出来た。
この手を離したくない、と想える相手が。
しかし、自分の才能と思想故に、離れなければならない。

もしも、自分が『右方のフィアンマ』でなければ。
あるいは平凡な少女として、一生を終えられたかもしれない。
その場合は、トールと出会い、暮らし、こうして手を繋ぐこともなかっただろう。


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