過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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205: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/30(土) 22:52:21.47 ID:wH/tcnnw0

時が過ぎ行くのは早いもので、既に一ヶ月が経過して。
街はどこもクリスマスムード一色だった。
トールは神裂火織を捜すことを諦めつつあった。
本人はそう口にしていないが、そのように見えるのだ。
彼曰く『休暇』らしいので、別に良いかとフィアンマは思う。

「日本のクリスマスはどうも単なるイベント扱いだな」

ぷんすこ。

そんな単語が似合いそうな様子の彼女だが。
視線の先はしっかりとブッシュ・ド・ノエルやホールケーキに釘付けである。
十字教のトップの一人がこんなんで良いのか、とトールは思いつつ。

「その切り株、ぶっちゃけただのロールケーキだろ?」
「お前はふざけているのか?」

フィアンマは唐突にトールを睨み。

「このケーキには多くのエピソードがある。
 かつて北欧で樫の薪を暖炉に燃やすと一年中無病息災でくらせるという神話の説。
 前年の冬の燃え残りの薪で作る灰は、これから1年の厄除けになるという伝説により、菓子も縁起のいい薪形になったという説。
 切り株の形は『神の子』の誕生を祝った際に夜通し暖炉で薪を燃やしたことに由来しているという説。
 貧しく、恋人へのクリスマスプレゼントも買えないとある青年が、せめてもと、薪の一束を恋人に贈ったという説。
 いうなればこれ程多くの魔術記号を抽出出来る、共通した記号を持つ洋菓子だぞ?
 それをただのロールケーキ呼ばわりとはどういうことだ。デコレーションされているだろうきちんと」

ぷんすこぷんぷん。

何について怒っているのかまったく理解出来ないトールだったが、ひとまず謝ってみる。
詫びは形で入れるものだ、とのコメント。要するに食べたいだけだったようである。



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