過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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206: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/30(土) 22:53:10.39 ID:wH/tcnnw0

ホテルに戻り、ケーキの箱を開ける。
皿によそうでもなく、彼女はフォークを突き刺した。
一口分をとると、トールの口元へと運ぶ。

「…あーん?」
「……」

言葉で静かに急かされ、トールはぱくりと食べる。
どう考えても毒見役にされているが、気にしない。

「……美味いな」

ケーキ屋の、それなりの値段だったブッシュ・ド・ノエルはなかなかにおいしい。
柔らかいクリームがすっと舌の上で溶けていくし、カカオの上品な香りが鼻腔をくすぐる。
ふわふわとしたスポンジ、甘酸っぱい苺、削ってかけられたチョコレート。
その全てが口の中で調和し、一つの芸術品の様に『美味しさ』を突きつけてくる。

甘すぎず。
苦すぎず。
重すぎず。

かといって味わいやコクがない訳でもない。

「…確かに美味だ」

クランベリーと共に口にし、彼女は満足そうな笑みを浮かべる。
甘く蕩けた琥珀色の瞳は、余韻を残しつつトールを捉えて。


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