過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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229: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/08(日) 00:46:59.14 ID:LaGas/7B0

有り体に言えば、迷子のようだった。
しかし、迷子にしては様子がおかしいようにも見えた。

「迷子か?」

トールはしゃがんで子供に視線を合わせ、そう問いかける。
泣きじゃくりながら、子供は何かを答えようとして。

「えぅ、えと、げほっ、う、うぇ、」
「……ひとまず泣き止まねば話にならんな」

フィアンマはトールと同じくしゃがみ、子供の背中を摩る。
心臓の鼓動に合わせ、とんとんと軽く背中を叩く。
泣き止むまでに要したのは、十数分程だった。




「おかあさんがね、ここですわっていなさいって」
「それからどの位時間が経過しているんだ」
「……ふつか」
「…そうか」

すぐ戻って来るって言ったのに。

ぽつりと呟いて。
それから、母親の体調や怪我などを疑い、心配する子供はどこまでも無邪気で。
だからこそ、迎える結末が既に見えているトールとフィアンマは、胸が痛かった。
だからといって、置き去りにして良い理由にはならないだろう。


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