過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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233: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/08(日) 00:49:12.17 ID:LaGas/7B0

夕食はカルボナーラだった。
生クリームによる胃もたれ感にぐだぐだとしつつ、トールは霊装を手入れする。
フィアンマは見目を元に戻すと(筋力がもう必要ないからだ)、ベッドに寝転がる。

「食ってすぐ横になると牛になる、って話があるらしいな」
「単純に胃液が逆流して嘔吐する恐れが高いから、という内情を隠すためのものだろう」
「だろうな。親ってのは子供のために嘘つくモンなんだろうよ」
「……私利私欲のための嘘をつく親も居るがね」

夕方の子供を思いだし、フィアンマは口を閉ざす。
トールは霊装の手入れをしながら、静かに息を吐きだした。

「お前は、」
「…ん?」
「いつからローマ正教に居るんだよ」
「片手で数えられる位の歳には、既に。
 ……気がついたらこの"座"に居たしな」
「……」
「先代の教皇さんには、随分と良くしてもらった。
 幼く、ただ力だけがある俺様に対して、普通の子供の扱いをしてくれた。
 今居る右席の面々も皆そうだ。…俺様の後から入った者達だが。
 温かな春を過ごし、暑い夏を、寒い秋を、雪降る冬を、共に過ごした。
 各人の事情を知って言葉をかけて、救われたと、そう言ってくれた。
 嬉しいと思った。俺様自身、そうした関わりの中で沢山救われてきた」

どこか、過去形の話し方は、切り捨てるかのようだった。

「勿論、お前と過ごしているこの時間も、そういった良いものだ」

照れるでもなく、淡々と。

「幸せで、暖かで、心地よくて、完成された美術品のようなものだよ」

壊したくない。壊してはならない。

そう思える、日常という時間の流れの、一つ一つ。


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