過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
1- 20
232: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/08(日) 00:48:42.03 ID:LaGas/7B0

「意外と良い母親になるタイプだな、フィアンマ。
 家庭的な所もあるし、子供の面倒もみれるしな」
「つまり、俺様と結婚したら子供が欲しいと」
「ぶっ」

てっきり性別を元に戻したと思っていたトールの耳に、青年の心地良いテノールの声が届く。
思わぬ不意打ちに吹き出しながら、トールはベーコンをカゴへ入れた。
現在地はスーパーマーケットであり、選んでいるのは夕飯の材料である。

「あながち間違ってもいねえが、俺の目的からして無理だろ」
「戦闘狂のことか?」
「いつ死ぬかわからない父親なんて嫌だろ」
「死なないと思うが」
「死なない人間なんていないだろ。ましてや、魔術師同士の戦闘じゃ、死なない方が希だ」

フィアンマはプリンに手を伸ばし、それからゼリーに目標を変えて掴む。
そっとカゴに入れながら、困ったように笑ってみせて。

「そんな未来は決して来ない。俺様が来させない」
「………」

トールはそれを、治癒してくれるという意味だと理解した。
フィアンマは今の言葉を、そんな優しい未来を手に入れられはしないという意味で言った。

両者の食い違いはどこまでも大きく、それは彼女が狙ったところでもある。

「簡単には死ぬなよ」
「死にたがりって訳じゃない。自分から言い出して何だが、そうそう死にゃあしねえよ」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/658.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice