過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/12/08(日) 00:48:42.03 ID:LaGas/7B0
「意外と良い母親になるタイプだな、フィアンマ。
家庭的な所もあるし、子供の面倒もみれるしな」
「つまり、俺様と結婚したら子供が欲しいと」
「ぶっ」
てっきり性別を元に戻したと思っていたトールの耳に、青年の心地良いテノールの声が届く。
思わぬ不意打ちに吹き出しながら、トールはベーコンをカゴへ入れた。
現在地はスーパーマーケットであり、選んでいるのは夕飯の材料である。
「あながち間違ってもいねえが、俺の目的からして無理だろ」
「戦闘狂のことか?」
「いつ死ぬかわからない父親なんて嫌だろ」
「死なないと思うが」
「死なない人間なんていないだろ。ましてや、魔術師同士の戦闘じゃ、死なない方が希だ」
フィアンマはプリンに手を伸ばし、それからゼリーに目標を変えて掴む。
そっとカゴに入れながら、困ったように笑ってみせて。
「そんな未来は決して来ない。俺様が来させない」
「………」
トールはそれを、治癒してくれるという意味だと理解した。
フィアンマは今の言葉を、そんな優しい未来を手に入れられはしないという意味で言った。
両者の食い違いはどこまでも大きく、それは彼女が狙ったところでもある。
「簡単には死ぬなよ」
「死にたがりって訳じゃない。自分から言い出して何だが、そうそう死にゃあしねえよ」
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