過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/12/12(木) 22:54:48.93 ID:U57Rfvy20
コツ、コツン。
ウートガルザロキに導かれた先。
立っているのは、一人の少女だった。
ほっそりとした肢体に、柔らかな胸。
布面積の少ない黒を基調とした衣装。
物々しい黒い眼帯。金の長い髪。
「お前が雷神トールか」
「ああ」
今まで戦ってきた相手の誰よりも強いだろう。
放たれるオーラからそう判断しつつ、トールは頷いた。
そうか、と平坦な声で相槌を打ち。
「私は魔神オティヌス」
名乗ると、彼女はトールを見据えた。
冷徹な緑の瞳が、トールの青い瞳と視線をかちり合わせる。
「お前のコードネームは―――そのままトールで問題ないだろう」
「ああ」
「一つ言っておく」
組織に居る間は、願いに対してある程度の協力はする。
「だが、私を裏切ればそこに待つのは死だけだ」
邪魔をすれば殺す。
それは元仲間だろうが現仲間だろうが結果論だろうが関係ない。
冷酷な宣告を前に、トールは肩を竦める。
「そうかい。俺は好きなようにやらせてもらうさ。
あんたの利害基準に引っかからない範囲で」
彼女にもう一度会えるのなら。
『世界の敵』になっても良いと思える。
(お前は世界を管理するローマ正教のトップ。
――――世界を壊す側に回れば、出会うのは必然ってモンだろ)
―――たとえ、どれだけ底抜けに世界が滅茶苦茶になっていったとしても、彼女に傍にいて欲しい。
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