過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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287: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/15(日) 23:17:26.66 ID:ZFZ6L+UT0

「見つかると良いね」

黄金の工具を整備しつつ。
黒小人の少女は、本心からそう言った。
それから少しニヤリと笑って、トールを見る。

「それにしても、トールがそんなゾッコンになる位美人なんだ?」
「………ま、否定はしねぇよ」

揶揄の響きを含む発言に、トールはふいとそっぽを向く。
『投擲の槌』と呼ばれる黒いドラム缶型の少女がガタガタと揺れた。
マリアンは少女に笑いかけ、トールをさらにからかおうとする。
一度仲間と認めた相手には、彼女は優しく、甘く、親しげだ。
逆に言えば、敵にはどこまでも一切の容赦をしない人間である。

「ウートガルザロキも見たことあるんだっけ?」
「おー、あるある。気のキツい美人。多分尻に敷かれるのが気持ちいいんだろ」
「ぶん殴る」
「ちょ、タンマタンマ! 写真破れるだろ!!」
「逆上するってことはあながち間違ってないからかねー?」
「うるせえ! マリアンだってベルシにひっつきっぱなしじゃねえか!」
「な、ななななッッ、ベルシは今関係ねぇだろ!!」

マリアンを庇う様に、投擲の槌がガタンガトンと揺れる。
ウートガルザロキは仕事道具を守ろうとするし、マリアンは工具を投げつける。
トールはそれを華麗に避け、シギンは迷惑そうに身を屈めた。

ガチャリ

ドアが開いて入ってきたのは、話題の渦中にあった『ベルシ』である。

「……何をしているんだ」

彼の疑問にも応えず、三人は半分取っ組み合いの状態にいる。
仕方がないので、シギンは軽く答えてあげることにした。

「恐らくだけど、痴話喧嘩じゃないかな」



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