過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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413: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/12(日) 17:43:30.32 ID:IQXL6W5a0

チョコマシュマロは安っぽい味だが、妥当な値段だった。
むにゃむにゃと咀嚼しながら、街を歩く。
どんな魔術師にも、自分の姿を見つけることは不可能だ。
魔術師である時点で、一度魔力を練ったことがあるのだから。

「………」

たとえば、雷神トールにも。

フィアンマの視線の先には、先述の彼が居た。
彼はファーストフード店で、ハンバーガーらしきものを食べている。
その向かい側に居るのは上条当麻で。

「……」

恐らく、自分ならあの場所に介入しても良いだろう。
直接戦闘担当であるはずのトールが上条と交渉している時点で、『グレムリン』から離脱することは読める。
上条もトールも、自分に対しては拒絶の態度は取らないだろう。あまりにも優しいから。
そうしたら、オッレルスの元からは抜け、トールと逃げることだって出来る。

だけど。

そんなに楽な道を選ぶ訳にはいかない。
オッレルスは資格なんて必要ない、いつでも離れてくれと言ってくれたが、物事はそんなに簡単じゃない。
少なくとも、オティヌスとの間に決着をつけなければ、トールと顔を合わせる訳にはいかない。
上条に気づかれてしまえば、自分の存在を指摘される。
だとすれば、このまま眺めていることは問題だろう。してはいけない。

「……トール」

話の一つでもしたかった。

思いながら、背を向けて走り出す。


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