過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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46: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/01(金) 23:44:52.80 ID:Qj3Jsq+X0

「……んん、」

喉に引っかかった飴の欠片が飲みきれない。

そう表現出来そうな声を漏らし、フィアンマは目を細める。
感じ取ったのは、莫大な『天使の力』だった。
正確な計測は出来ないが、色は青で、使われた術式は水に関わるもの。

「……」
「どうかしたのか?」

トールは腕の立つ魔術師である。
しかし、その専攻はあくまで北欧神話であり、十字教様式で感じ取れるのは通常の術式だ。
というよりも、そもそも『天使の力』の使用痕跡を感じ取れるフィアンマが珍しいだけである。
当然、二人の間には認識の違いがあり、トールは不思議そうに首を傾げる。
対して、フィアンマは面倒そうに眉を寄せて。

「…追っ手だ」
「追っ手? お前のか?」
「分からん。……もう一人居るようだが、お前の方に心当たりは?」
「これまで誰かをぶん殴る人生だったからな。生憎心当たりにゃ困らねえよ」
「そうか」

やれやれと相槌を打ち。
フィアンマは腕を伸ばすと、足を引っ掛けてトールを転ばせた。
何をするのだと文句を言おうとするトールの体を、タイミング良く浮かばせ、姫抱きにして。

「面倒事からは三十六計逃げるにしかず、と古人も言っていたしな」

言うなり、彼女は一歩踏み出した。
平行瞬間移動により、二人の姿は一瞬にして消えた。


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