過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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487: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/25(土) 23:00:58.55 ID:0oMmW5z50

「さて、出来損ない」
「ぐ、」

上条から少し離れた場所に、血まみれで転がる人間が居た。
上条に言葉を紡いでいた時とはまるで違う。

無様な弱者のように、地に這い蹲る人の子でしかない―――オッレルス。

彼の前に、オティヌスはゆっくりと歩み寄る。
そして、フィアンマの髪から手を離した。
どさ、と重い音がして、彼女が僅かに呻く。

「選択肢をやろう。この女の小賢しい選択を応援するもよし」
「何…?」
「はたまた自分の感情の為に選択肢を切り捨て、この女に仮初の救いを与えるでもよし」

オティヌスは、槍を見せながらニヤリと笑ってみせる。

「そこの女は、自分の死と同時に私の世界への干渉を防ぐ術式を構成している」
「『世界を救う力』の、…性質、応用か……」

上条は、進めない。
介入出来そうになかった。
魔術で作られているのか、世界をそういう風にしているのか。
その場に居るのに、上条は右手を伸ばすことすら叶わない。
必死になる上条が害虫にでも見えたのか、槍が振るわれる。

上条の意識が、一瞬で途絶えた。

この戦場に、ヒーローは必要ない。


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