過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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643: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/03/16(日) 01:58:39.22 ID:TIIwc3tJ0

「戦闘より逃亡を優先か。お前らしくないな」
「あんまり大規模なのやらかすと危ねえからな」
「……一般人は居なかっただろう?」
「お前だ、お前」

神裂の攻撃から身を守る術がない彼女が、自分の攻撃を捌けるとは思えない。
その辺りの対策もしていくべきだな、とトールは思った。
トールに横抱きされたままに、フィアンマは沈黙する。

―――重荷。

文字通りのそれだ、とぼんやり思う。
口に出さないのは、トールが怒ると思ったからだ。
軽くストールを掴んで、離し、フィアンマはトールの首後ろに腕を回した。

「……ところで、叩かれた方の手は」
「ああ、手首折れてる。でも楽しかったし、後悔はねえな」
「………」

あっさりと言って、トールはフィアンマを降ろした。
麻痺はしていないが、痛みへの耐性ならだいぶ出来ている。
地獄をめぐり続けた成果と言えばそんなところか。

「治してやる。手を出せ」
「ん? おう」

ポッキリと折れた上にヒビの入った箇所を特定し、固定する。
それから天使の力を引っ張ってきて加工し、流して治癒を行う。
唐突な治癒は身体に負担がかかるが、骨折した場所が場所だけに完治させる方が大切だと判断した。

「……トールは、俺様のどの辺りが好きなんだ」
「人気が少ないとはいえ街中で聞くことかよそれ…っつ、」
「……」
「……見た目? はまあまあ、…全部としか回答しようがねえけどな。
 あんまり考えたこともないし。そういう愛の告白とか欲しい方だっけ?」
「茶化すな。……要するに今まで築いてきた記憶ということか」
「そういうことになるな。俺が見てきたお前の側面が好きなんだし」
「………俺様が記憶を喪ったら、好きじゃなくなるか?」
「結果論から言えばそういうことになっちまうだろうが、実際にはねえだろうな」
「俺様はトールを忘れていて、そこには何もなかったことになっているのに?」
「そんな地獄なら既に通った道だ」

この話は終わり、とトールは手を引いた。

「あー、戦ったら腹減ったな。何か食いに行くか」
「ファーストフード店で良い。食べてみたいものがある」



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