過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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653: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/03/16(日) 22:42:12.63 ID:Ihb2iPeW0

左方のテッラの墓はこじんまりとしていた。
直属の元部下が掃除をしてくれているのか、綺麗だった。
雑草など見当たらないし、腐敗物もない。

「……ただいま」

そうつぶやいて、しゃがみこむ。
花束を墓前に置いて、じっと墓石を見つめた。

「あれから、色々あったよ」

先々代ローマ教皇と左方のテッラは、自分の父親のような存在だった。
自分に厳しく、人に優しく、そんな人だった。
自分が彼の未来を奪った。罪悪感はあるが、懺悔はしない。
きっと、この石の下で眠る彼もそれを望まない。

「好きな人と、一緒にいるんだ」

シンプルな報告。
笑みを浮かべて。

「好いて、好かれて。何を差し置いても求められて。
 権利は無いのだろうが、俺様は今、幸せに暮らしているよ」

だから。

だからあなたも、神の国でどうか安らかに。
ずっと聖職者として働き続け、人の幸福を祈り続けてきた寂しい人。

「頑張る」

以前に告げた『おやすみ』ではなく、宣言を。
花束をそのままに、彼女は背を向けて"前へ"進み、トールの下へ。


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