過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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70: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/04(月) 22:56:42.57 ID:OhJNqj940

一週間程で、トールの体調は完全に快復した。
フィアンマの看病のお陰であったり、本人の気力であったり、理由は色々だ。
そもそもトールは細身だが、体が弱いという訳ではない。

「すっかり良くなったな」
「おう。お前の看病のおかげだろ」
「……俺様は別に何もしていないが」

視線を逸らし、フィアンマは黙り込む。

くきゅるる

沈黙をすぐさま遮ったのは、少女の腹の音だった。
腹の音が鳴る、ということが奇跡である。本来なら飢餓状態でもおかしくない。
人体として完全に正常な反応を状況に対して示せないのは、彼女の体がやや天使に近いからだ。
トールにつきっきりで居た彼女は、彼が快復するなり眠っていた。
つまりこの一週間近く、何も食べていなかったのだ。
水は飲んだものの、甘いものを買いに行く暇がなかった。
加えて、不運なことにこのホテルのルームサービスに甘いものはない。
トールは未だちょっぴり疑っているが、彼女が洋菓子以外を食べられないのは事実である。
他の、例えば何の甘味もなく、洋菓子要素の欠片もないものを食べれば拒否反応が起きる。

具体的に言えば、その場で嘔吐するのだ。

体質的なもので、決して個人的なワガママなどではない。


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